2010年12月アーカイブ

春の決戦を目前に、少しでも地域を廻りたいと考えるのは当然のこと。それを押してでも観たかった試合がありました。全国高校サッカー選手権大会オープニングゲーム「駒大高校(東京A)対大津高校(熊本)」の一戦でした。試合前の開会式では48代表校が揃いました。これから、110日の国立を目指して、熱い戦いが行われました。

 

私が駒大高校サッカー部でボールを追っていたのは22年も前のことです。まだ一度も優勝経験がなかったサッカー部が都大会で、あの帝京高校を破り全国大会の出場切符を手にしていたのです。当時の我々が観ることの出来なかった夢を、後輩たちが魅せてくれたのです。その夢を今日、疑似体験することができました。

 

国立競技場の観客席は一杯でした。やっぱりいました。同期のサッカー部のメンバー達です。不思議なものです。高校時代にボールを追っていたい仲間の顔が、40歳に変ってもすぐに分かります。「やっぱり来てたかー」「お前もかー」22年ぶりの再会です。後輩達の活躍のお陰で、刎頸の友との再会を果たすことができました。

 

 試合の結果は21で勝利しました。12日の戦いに駒を進めます。今日の出来事をふと振り返ると、グランドでボールを追い求めていた時代の自分を思い出します。あの時の夢。今の追い求めている夢。夢は違えども、少しでも夢に近づけるよう、走り続けなければなりません。いい刺激を受けることができた1日でした。

自治政策のガラパゴス現象

 海外事例研究という学問を学んだことがある。日本の自治制度などを論じる時に、国内にある自治政策との比較に留まらず、欧米の制度も参考にして政策を考えてみようというのである。日本の自治政策は、独自の進化を続けてきた。その比較対象も人口規模が同じ都市が対象となり、ある意味、均衡が図られてきた。しかしそこには、ガラパゴス現象のようなことは起こっていないだろうか。

 これからはもっと、世界の都市政策の事例に目を向ける必要性がある。ただ単純に英語の資料から数字や自治制度だけを引きあいにして比較すると、そこには落とし穴がある。あいまいなままに比較対象とすると、間違った結論を導き出すことがある。この研究では、正しい判断材料のもとで、比較の方法を学ぶのだ。その国の人口や財政規模、立地条件を加味したうえで比較することに、この研究の意味がある。世界の先進事例を学び、それを取り入れた政策の立案が可能となる。

 ガラパゴス現象とは、内界での進化と外界での進化が別々に進み、その特殊進化と一般進化が結合する時に、特殊な進化を遂げてきた弱者側が、危機に直面することを指す。日本の自治政策の進化は、ガラパゴス諸島に浮かぶ群島のように、世界の進化から取り残された。危機にまでは至らないにしても、視野の狭いものになっててきた側面を含んでいる。

福沢諭吉の著『学問のすすめ』のなかでは、次のようにいっている。「よく東西の事物を比較し、信ずべきを信じ、疑うべきを疑い、取るべきを取り、捨つべきを捨て、信疑取捨その宜しきを得んとするはまた、難しきに非ずや」とある。あの福沢先生も明治の初期の時代から、世界に目を向けることの必要性を指導していたのである。

 政策を論ずる時、あながち政令指定都市などの類団を対象に議論を行うことがある。そこで、外国の先進事例やデータを引き合いにするとより、説得力を高めることができる。今の複雑多様化する地域課題の解決に悩んだ時、海外の事例がヒントにもなる。外国の情報を取捨選択する力を養い、先進事例を取り入れることができれば、我々の自治政策も充実した内容となるのではないかと考える。

無縁社会

今年もあと4日を残すのみとなった。1年をふり返ってみると、様々な出来事があった。なかでも印象的だったのは「無縁社会」を象徴するような出来事が、多くみられたことである。今年も児童虐待によって、多くの尊い命が失われてしまった。また、戸籍にはあるが、実存しない老人も、数多くいることが分かった。きっと一昔だったら、ご近所の間で気がついたことが、今の社会では見過ごされてきたのである。日本に元来あった、Social Inclusion「社会的包容力」は、一体どこに消えてしまったのだろうか。

 

無縁死・孤独死を迎えて亡くなる方の数が年間32000人いるという。自殺者数も同様に32000人を越えている。人と人とのつながりや絆が、希薄になっていることを反映しているという見方もできる。この問題の本質は、どこにあるのだろう。教育にあるのかIT技術などの文明の利器によるものなのか定かではない。ただ1つ言えるのは、人と人とが直接コミュニケーションをとらなくても、生きていける社会があるということだ。

 

「行旅人及行旅死亡人取扱法」という古い法律がある。この行旅死亡人の数は年間32000人いるという。その内1000人が身元不明のまま、戸籍や住基から削除されないままだという。つまり、目的地を持たない移動中の人を含め、亡くなると行旅人という扱いになり、誰だか分からないまま処理されているのである。気がついたら、誰がいついなくなったか分からない現代社会の一面がそこにあった。

 

 家族、地域、組織の絆を、今一度考えさせられる1年だったような気がする。この問題の解決には、Social Exclusion(社会的排除)をくい止める施策を、国や自治体が考えていかなくてはならい。また、Social Inclusion「社会的包容力」を高めるための、地域力を伸ばす施策が求められる。来年は、この1年に起こった事象を教訓に、「絆社会」を創るための努力をしたい。心のつながりを誰しもが感じられる地域も創っていきたい。

Merry X'mas

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May your holidays sparkle with joy peace

                

 

by Yasuhiro Ishida

 

川崎市議会「定数削減」へ

先日の朝日新聞朝刊の見出しに『川崎市議会「3減」有力』との見出しがありました。定数を決めることができるのは、その議会です。所属する自民党川崎市議団では、選挙管理委員会の担当者を招いて、定数に関する勉強会を行ってきました。団会議も数回重ねて、この問題を議論してきました。議員定数を減らしていく方向性については、各議員の共通の認識のようであります。議論が分かれたのは、削減数でした。川崎市議会議員の定数はどうあるべきなのか、これまでの経緯と方向性について述べてみます。

 

 前回の選挙での民主党川崎市議団のマニフェストには、「次には議員の定数を各区1議席削減して7減します。定数は56人とします。」と公約していました。その実現は、国の民主党マニフェストと同様に、オーバーな表現に留まりそうです。川崎市議会では団長会議において、各会派の調整を行ってきましたがまとまらず、正副議長の斡旋案として3減の60議席案が示され調整していると聞きます。次の議会において、議員条例として議案を提出する運びとなります。削減の対象となるのは多摩区、宮前区、川崎区がそれぞれ1減となります。

 

大学院でご指導頂いた山下茂(明治大学教授)先生は、ご自身の著書の中でこういっています。「日本の自治体議員数は人口比では必ずしも多くない。むしろ少ないのである。欧米の自治体規模は小さいため、人口あたりにならすと日本の議員数の方が少なくなるからだ」と解説している。国際外交比較研究に詳しい師の言葉は、国内の事例だけをみて判断すると、時として間違える危険性を含んでいるということを教えています。

 

 宮前区から選出の私にとって定数が削減されることは、当然厳しく受け止めます。しかし、与えられた環境で努力を重ねて目標を目指すのが使命であります。全国の議会の流れをみてみると今後、地方議員は減ることはあっても増えることはまず考えられないでしょう。議員となる者は、研鑽を積んでより多くの課題に応えられるよう、資質の向上にも努めなくてはならないと考えます。市民の皆さんに「議員が多い」といわれる前に、「議員が少ないのは困る」といって頂けるような、個の努力が必要なのでしょう。自分のことでもあるので、私も一歩一歩、頑張ってまいります。

韓国が大廷坪島周辺で射撃訓練をしたその日、電子版ニュースに「川崎市が平壌研修に補助金」の見出しが流れました。内容は、川崎市内にある川崎朝鮮初級学校の教員が78日の日程で平壌の渡航費に「受講・実技」の目的で、市の補助金が支出されていたというものです。その後、ニュースを見た市民の方々から、メールで何件かのご意見を頂きました。その多くが「慎重に対応してもらいたい」との内容でした。

この件に関する補助金の担当窓口は、市民こども本部・子ども企画課です。早速、電話で確認を行いました。担当者の話では、研修費347000円のうち10万円が、研修のための渡航費になっていたといいます。適正な支出であったのかとの問いには、「川崎市朝鮮学校研修費補助金交付要綱」により支出されており、特に問題はないとの認識を示していました。

この要綱の第1条にある目的には、「朝鮮学校に対し学校長及び教職員の研修費を補助することにより、朝鮮学校の教育条件の維持及び向上を図り、もって朝鮮学校に学ぶ青少年の健全なる育成と日朝文化の交流に寄与することを目的とする」としています。この学校に関係する補助金の総額は年間691万円、整備補助1519000円が支出されています。この問題は、昨日の市議会でも取りあげられました。今後の対応について子ども本部長の答弁は、「国際情勢や国民感情を踏まえて慎重な対応を図る」と述べています。

確かに市民感情から考えれば、理解できないところがあります。拉致被害者家族会・救う会の皆さんの気持ちを考慮して、対応を図るべきです。今後、川崎市は、支出する補助金に対して厳しいチェックを行っていくことが求められます。場合によっては、要綱の見直しも必要ではないでしょうか。この問題は、議会側の私も、引き続き見守っていきます。

一般質問

DSC05228.JPG川崎市議会、一般質問にたちました。内容は、協働推進事業費について、宮前連絡所・宮前地区会館の再編について、宮崎台駅周辺の駐車対策についての3項目です。質問の詳しい内容については、後日改めて議事録が出来次第、HPUPしたいと思います。

 

さて、上の写真ですが、議会局の方が議長席の裏側からこちらをねらい、撮ってくれるものです。目が眠そうにみえませんか。それもそのはず、昨夜は、深夜まで原稿の校正を行い、質問の前日の夜は、本番でかまないように何度も読みあげ練習を行い、納得してから就寝となります。今朝は、まだ暗いうちから駅頭にたち市政報告を行いました。その後、議場に直行して午前1030分から質問となりました。

 市議会は明日が閉会日となります。議会閉会後から年末までは、忘年会などの行事に参加する他、1年間お世話になった後援会の役員さんへ、ご挨拶まわりを行う予定です。当然、駅頭も続けて参ります。

イチローに学ぶ

398129400_0.jpg.png『一流の思考法』ソフトバンク新書(森本貴義著)を読んでいます。サブタイトルにWBCトレーナーが教える「自分力の」の磨き方となっています。実はこれ、i Phoneのアプリで読んでいます。それはさておき、著者の森本氏は、プロ野球のトレーナーを13年勤め、イチロー選手のトレーナーとしても活躍してきた人物です。ここでは、イチローの隠れた人物像を知ることができます。さて、我々は、彼から何を学ぶことができるのでしょう。

 

この本で言われていることには、2つのポイントがあります。1つは、イチローの成功の秘訣は、結果よりもプロセスを大事にしていることです。プロセスと結果は因果関係があるとし、ヒットを打つためのプロセスを自分なりに創りだし、頑ななまでにそれを守り続けているのだとか。2つは、自分と自分を常に比較し続けていることです。つまり、結果を出す人は、他人と自分を比較していないのです。

 

そう言えば、ハーバード大学のマイケル・サンデル氏の「正義の授業」で、「年収の正義」の議論を思い出しました。それは、オバマ大統領の年収が3500万円に対して、イチローの年収が15億だというのです。はたしてこれが妥当なのかどうかという議論でした。確かに大統領とプロ野球選手にこれだけの開きがあることは、注目に値します。しかしそれよりも、イチローがいかにすごい働きをしてるか、年収が証明しているということです。

 

なるほど、40歳になって、今更に気がつました。今の自分は、次の戦に備えて、見えない何かといつも戦っています。そうだったのです。戦う相手は民主党でもなければ他の候補者でもない。戦う相手は、昨日の自分だったのです。昨日の自分に比べて今の自分が、一歩でも前進出来ているかどうか。それが大事だったのです。よーし、明日からは、これで行こう。『一流の思考法』皆さんも読んでみてはいかがですか。

子ども手当の負担は?

 昨日の市議会で「子ども手当の財源の全額国庫負担を求める意見書」が、自民党案に賛同する45名の賛成で可決し、国宛に送付されることが決まった。もちろん、民主党市議団は反対した。子ども手当は、民主党マニフェストの目玉施策だったが、財源探しの矛先が自治体財政に迫ろうとしている。全国一律の現金給付を約束する以上は、地方負担に頼るべきではない。

 国は、平成22年度からの子ども手当について、全額国庫負担で実施すると表明している。しかし、暫定措置として、地方負担の約6100億円が計上されている。神奈川県の松沢知事は国に対抗して、来年度予算の県の負担分を計上しない方針を明らかにし話題となった。

 川崎市の平成2210月支給時の状況では、子どもの数が182616人に対して、受給者数は117670人となっている。予算額では、平成22年度扶助費として261億円を計上し、一般財源からは28億円を拠出している。これに対して平成22年度末に、国の交付金で一部戻ってくることになっているが定かではない。

 子ども手当てはあってもいい、だが、国がマニフェストで公約した支援策なのだから、国の責任で行うのが筋である。問題は、十分な協議もないまま進められていることにある。そこで、手当の一部を自治体の裁量で、子育て支援策に回すことは出来ないだろうか。待機児童解消に予算を充てることができたら、どれだけの家族が救われることだろうか。国も十分議論してほしい。

ラブホテルが半減!?

 市民の方から、宮前区内にあるラブホテルが、子どもたちに悪影響を与えるのではないかと心配する意見を頂戴しました。確かに宮前区には、東名川崎インターの出口があり、目立つところにいくつか存在しています。そこで、ラブホテルを規制する方法を考えてみました。

  これまでラブホテルの規制は、自治体条例によって規制できないのか議論が起こっていました。条例によってどこまで規制することが可能なのか、学者の研究論文もインターネット上にみられます。例えば、用途制限で規制をする方法も考えてみましたが、近隣商業地域における規制は困難であります。ちょうどその時でした。来年の1月に風俗営業法(風営法)が改正され、ラブホテルの規制が強化されるというニュースがありました。

 「風営法の改正によって、ラブホテルの定義範囲が拡大する。これまでなら、回転ベッドやアダルトグッズ自販機などがないうえで、食堂と床面積が一定基準を超えるロビーの2つを備えていれば、事実上のラブホテルであっても旅館としての登録が可能だった。だが今後は、外から見える位置に休憩料金を表示していたり、宿泊客が従業員と顔を合わせずに部屋に入れるシステム(自動精算機やカギの自動交付機など)を導入していたりすれば、ラブホテルとしてみなされてしまうのだ。」(ダイヤモンド・オンライン)より引用

 宮前区内には、旅館業法の許可を取って営業しているのは、7箇所。風営法の届け出を行っているのは、1箇所となっています。外見はどうみてもラブホテルなのに、旅館として営業を行っているホテルがいくつかみられます。今後、法改正があれば、自治体条例で規制する必要がなくなります。国の動向に注目をしてまいります。

議長の議会招集権

議会運営委員会が開かれ、議会改革についての議論が行われました。結果、明日の本会議において、「議長に議会招集権を付与することを求める意見書」を提出することになりました。この問題は、議会の招集権が首長のみにあるため、議会側にも招集権を持たせる、地方自治法の改正を求める内容となっています。二元代表制でありながら、首長だけが議会を招集できるのはおかしいのでは、という議論です。

現在の制度では、議会を招集出来るのは、首長側に専属しています。しかし、議会側が一定の条件のもと、議会運営委員会の議決を経て付議すべき事件を示し、議長が臨時議会の招集を請求すれば、その日から20日以内に議会を開かなくてはならないことになっています。

 一方、話題の阿久根市では、議会側から臨時議会の請求がありながら、市長が無視を続け専決処分を乱用する事態が起こりました。専決処分とは、地方自治法の180条に「議会の権限に属する軽易な事項ついて専決処分することができる」としています。軽易となっているにもかかわらず、重要案件についても専決処分に付し、市政の混乱を招いたのです。その後、リコール運動にも発展し報道の通りであります。

 二元代表制をとっている「自治制度のひずみ」とも指摘されている現状の制度を、改めなくてはなりません。議会の代表である議長が、自らの議会の招集が出来ないこと事態おかしなことです。少なくとも首長がその義務を果さないときは、議長が招集することが可能とするなど、法の改正が必要です。国では地方自治法の改正に向けた議論が行われています。今後の議論の行方に注目していかなくてはなりません。

昨日の健康福祉委員会では、「かわさき健康づくり21追補版」(案)について報告がありました。このプランは、平成13年度から平成22年度までの10箇年を期間として取組んできました。追補版では、計画自体を2年間延長するとしています。内容は、健康増進のための目標値が項目ごとに設定されているほか、メタボリックシンドロームの概念などが新たに追加されました。しかし、これまでの全項目に対する達成率は4割に留まっており、課題が残る結果となっていました。はたして達成率を上げることができるのでしょうか。

このプランの目的は、目標達成に向けた取組みを推進することで、生活習慣病からもたらされる疾病を予防し、発病の危険から遠ざけようとするものです。一次予防に重点を置くことで、より豊かな生活を送ることがプランの使命となっています。

具体的な項目では、「メタボの概念を導入した検診の受診者数を増やす」とし、目標値を70%以上としていますが、現状は53.2%です。他にもアルコールの飲酒の項目があり、多量に飲酒する人を減らす目的で、一日平均3合以上の飲む人の割合を(男性)10%以下と目標を設定しているのに対して、最新値で13.6%となっています。たばこでは、20歳以上の喫煙する人を減らすとしています。成人男性のケースでは、目標値を35%以下に設定し、現状は33.1%と達成している事例もあります。

健康は自らが守るものです。できることなら、体のチェックを定期的に行い、病を未然に防ぎたいものです。課題は、委員会報告のあったプランがあまり知られていないことです。より立派な計画が出来ていても、伝わっていないのでは意味がありません。行政も計画をより多くの市民に知って頂く、努力が必要なのではないでしょうか。私自身も健康チェック、進んでやっていこうと思います。

これでいいのか「4K」

 先の自民党代表質問で、事業仕分けをはじめとする国の制度改正による、川崎市の財政に対する影響について質問した。このところの新聞記事には、国の来年度予算の「財源探し」の見出しが躍る。民主党が約束する「ばらまき4K施策」(子ども手当、高速道路無料化、農業戸別所得補償制度、高校無償化)により、国の財源が足りない事態に陥っているのだ。そのしわ寄せはどこに行くのだろう。

 

川崎市財政局長の答弁によると、「平成22年度予算においては、女性特有のがん検診事業について平成21年度は全額国の負担として実施したものが、国の負担が2分の1となり、市負担が生じるなどの影響があった」との答弁があった。女性が特有のがん検診とは、子宮がん検診事業や乳がん検診事業を指す。川崎市の新たな負担となるのは、19000万円となることを明かしたのだ。

 

そのしわ寄せが、自治体財政に迫ろうとしていることは、看過できない。国と同様に、川崎市の財政も厳しいことに変わりないからだ。地方負担の押し付けは、今年度予算に続き来年度予算にも影響を及ぼそうとしている。川崎市の限られた財源は、国から新たに求められる負担増により、別の事業予算を削らなくてはならないことにつながる懸念がある。がん検診は特に必要な事業であるため、予算に影響があってはならない。効果も薄い「ばらまき4K」を、一層のこと、思いきって抜本的に見直してみたらどうだろうか。

川崎市議会では、民主党と自民党の代表質問が行われた。自民党川崎市議団の代表質問では、市政一般に係わる20項目について取り上げた。その1つに、国(民主党政権)が進める事業仕分けによる、川崎市財政への影響について財政局長に訊ねた。

 

 答弁では、「新川崎・創造の森地区における4大学連携の共同研究拠点整備に活用を検討していた、国の研究基盤整備費が見直しになり、施設整備等にかかる費用が川崎市の負担となった」ことを明かした。川崎市の新たな負担額は示さなかった。

 

 そもそも4大学コンソーシアムとは、慶応義塾大学、早稲田大学、東京工業大学、東京大学の理工学部と川崎市との産学連携により、医療・環境・エネルギーなどの分野で産業の活性化を図り、人々の生活の向上に貢献していこうという川崎市の目玉ともいうべき施策である。その拠点を、新川崎・創造の森(川崎市幸区)に整備を進める計画である。

 

 川崎市のポテンシャルを高めることに貢献する事業が、削減対象になったことは誠に残念なことである。それだけではない。国の予算削減が、新しい技術と産業の芽をつぶしてしまうことにもなりかねないのである。川崎市の負担増となっても、ナノマイクロ技術の研究拠点として、引き続き事業を継続し成功させてもらいたい。

 子ども手当の政府方針が示された。来年1月召集の通常国会に法案が提出される予定だ。新法案では、3歳未満は月額2万円とし、3歳から中学生までは13000円の支給としている。新たな制度として、地方自治体が給食費の未納金を、子ども手当てから強制的に徴収することを可能にする案を検討している。これにより未納問題を解決しようというのである。

 

一見、考案のようにも取れるが、そんな簡単なことではない。川崎市の関係局に確認したところ、学校給食費は、川崎市学校給食会が直接、各家庭から給食費を預かり食事を提供している。未納金が発生した場合、学校給食会が負担をしているのである。つまり、給食費の徴収は、市が直接行って運用しているわけではない。

 

 給食費を子ども手当から強制徴収することは、自治体と学校給食会との関係から考えれば、なじまない案なのである。未収金の問題で対応するなら、保育料の滞納を対象にすることの方が、手当ての趣旨として理解できる。しかし、どれを取ってもこの法案が、1年間の時限立法では、真の問題解決とはならないことを今の政権に指摘しておきたい。

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昨日のブログで、宮前平駅周辺の冠水対策について報告しました。その数時間後の早朝に、豪雨で再び冠水してしまうという偶然。先程、町会長さんから今朝の情況を直接伺うことができました。通勤・通学途中の方々が、冠水した道路に足をつけ、びしょびしょに濡らしながら駅に向かっていったとのことでした。改めて、冠水対策の早期実施を求め、行政に働きかけていきます。さて、今夜は関連して、矢上川の治水対策について報告します。

この事業は、神奈川県が進めている事業で、1129日の神奈川県議会に225億円の予算案が示されたと聞きます。総合治水対策特定河川工事として、尻手黒川道路などの地下にトンネルを掘り、矢上川の流水の一部を地下で処理する計画です。地下には60mm/時間の降雨への対策のため、延長4026mのトンネル工事が行われます。工期は平成23年度から着工、10年後の完成となります。これにより、洪水の軽減が図られます。

そこで、私の指摘です。準用河川は川崎市が所管し、一級河川は神奈川県が管理しています。どうでしょう、同じ一本の川なのに、ここからここまでが県、ここから先は市といったように、一貫性のある対策が図れないのではないでしょうか。ここは、地方分権を進め、1本の川を2つの自治体が管理をすることを改め、川崎市で全て対策をとったらどうでしょうか。いずれにしても神奈川県には、早急な対策を求めます。

宮前平駅周辺の雨水対策

img135.jpg今から一年前の12月議会において、「雨水対策について」取り上げ、議論しました。近年、地球温暖化やヒートアイランド現象などの影響により、予測を上回る集中豪雨、所謂、ゲリラ豪雨が多発し、市内でも被害が起こっていました。宮前区内では宮前平駅周辺が、周辺地域に比べ低い所に位置していることから、度々、冠水被害がありました。

 議会で対策を求めてから1年、ようやく、川崎市が対策を行うとの報告がありました。説明によると、宮前平周辺地区の対策は、「矢上川改修事業」として平成23年度からスタートし、平成27年度までの5箇年をかけて改修する計画です。今回の改修では、現在の暗きょ内部を整備し、樹脂を塗膜することで、腐食の進行をくい止め、水流をよくするライニング工法も用いることです。

 

 

 これにより、地上から掘削する工事に比べ、工期が短くなる他、コストダウンに効果を発揮します。この工法等により、水流が2割から5割良くなり、浸水被害も概ね改善すると担当者は話します。雨水対策については今後も、引き続き取組んで参ります。