2010年6月アーカイブ

パパも子育てしたい!

育児・介護休業法が改正され、本日から施行されました。男性の育児休業の取得率は1.56%と低く、しかも、男性が子育てや家事に費やす時間も、先進国中最低水準(厚労省)だといいます。本当は、パパもママも子育てに時間をかけたい、しかし仕事との両立が難しい、これが本音だと思います。家庭における男性の子育て時間の確保は、女性の育児負担を軽減することに留まらず、女性の継続した就労の確保にも期待がもてます。

 

改正のポイントは、これまで子どもが1歳まで育休を請求できる権利がありました。改正後からは、父母ともに育児休業を取得する場合、子どもが12カ月までの間、1年間に限り育児休業を可能としました。また、多様で柔軟な働き方を選べるように、3歳までの子どもを養育する労働者に対して、16時間の短時間勤務制度を導入することが義務となりました。加えて、残業の免除が制度化されました。これにより、仕事を持ちながら保育所への送り迎えにゆとりがうまれます。

 

今年の4月のこと。都市政策フォーラムで一緒に学んでいる、成澤文京区長が、13日間の育児休業を取得したことが話題となりました。私は、自治体のトップとして立派な行為だったと思っています。職場の上司である首長が率先したことで、多くの職員が育児休業を取得しやすくなったことでしょう。まずは、子育て支援を言っている公務員が、先頭に立って実践するべきことです。

 

 育児休業の取得に向けた促進は、川崎市議会でも質問し、議論してきました。ワークライフバランスがさけばれているなか、まずは、改正法の施行とあわせ、育児休業を取りやすい職場環境を社員全員で、醸成していくことが必要です。この改正育児・休業法を受けて、企業などの取組みに期待をします。

Twitter研究

530日、初めてtwitterにアカウントして以来、明日で丁度、1カ月が経ちます。お陰様でフォロワーの数も120名を越え、私のつぶやきを聞いてくれる方が、徐々に増えているところです。ダイレクトメッセージなどを通じてご意見を寄せて頂き、知らない方とのコミュニケーションが、楽しく感じるようになりました。

そうしたなか、ネットに関心のある議員が集まり、そこにtwitter講師をお招きし、その活用法について教えて頂きました。まずは改めて、用語の説明を聞きました。ツイッター上では、TLやらmentionといった、専門用語に近い言葉が使われています。エントリーをしたばかりの初心者は、まず用語の壁にぶつかることがあります。私もようやく、ハッシュタグの活用方法を理解しました。

話のポイントは、議員とtwitterとの関係です。議員の考え方(政策)と選挙で議員を選ぶ有権者とをつなぐ、有効なコミュニケーションツールとしてどう活用するかが大切です。講師の方の話だと、議員のツイートは、長いつぶやきが多く、リツイートができないことがあるといいます。なるべく短めにすることを薦められました。

 一番気になっていた質問をしてみました。フォロワーの数が気になるので、フォロワーを増やす方法はないのか尋ねてみました。答えは、つぶやく内容を「タイムリーで話題性のあるものを取り上げると関心を呼ぶ」ということです。これからも、川崎市政のタイムリーな話題、つぶやいていきたいと思います。

選挙の不思議

夏のあつい参議院選挙が行われている。街では、候補者の顔が貼られた広報版がみられるようになった。時折、街宣車にもでくわすことがある。参議院選挙では、全国が選挙区の比例候補者と、県が選挙区の候補者がいる。選挙カーは、多くの人に名前を聞いてもらおうと、足早に過ぎ去っていく。

さて、そんな選挙戦だが、先日、朝日新聞の1つの記事に目が止まった。「名前連呼、まさに逆効果」とあった。記事の内容を読んでみると、とあるアンケート結果では、名前の連呼を聞いて、投票したくなったと答えた者が25.6%に対して、投票とは無関係と答えた人が72.8%となったというのである。候補者と有権者の思いに乖離があることが分かった。

他にも、選挙運動の効果について質問した結果では、「心が動いた選挙活動は何か」との問いに対して、1位が、駅前で毎日演説が67%、演説会が30.3%。候補者が近所や職場に来た19.1%であった。この結果からみると、やっぱり有権者との直接の接点が、投票行動に大きな影響を与えていることが分かる。

一方で、「これって選挙に必要な運動」の問いに対しては、握手の効果が低いことが分かった。アンケート結果によると、握手をしたことによって投票したくなった人は、全体のたった5.4%しかなく、投票とは無関係とした者が83.5%。逆に投票したくなくなったが11.1%と意外な結果である。

 私は、候補者として何度も選挙活動を行ってきた。仲間の応援もさせて頂いた。しかし、選挙活動で何が効果的で何が逆効果なのか、いまだにわからないことの方が多い。アンケート結果にあったように、握手や連呼によって投票行動が、大きく左右されるとは思わない。もう、そういう時代ではない。大事なのは、普段の地道な活動内容である。

川崎市の救急医療

仮に今、自分や家族がここで急病になり、救急車を呼んだとしよう。数分後に救急車が到着したとしても、すぐに病院へ運んでもらえないとしたどう感じるだろう。当然、救急車を呼ぶくらいだから、一刻をあらそう事態であることはいうまでもない。残念ながら、救急車が到着しても、行く先である病院が決まらず、救急車内で待たされることが一部で起こっている。

 

川崎市の重症患者の救急搬送における現場滞在時間が30分以上かかってしまった割合は、全国の政令指定都市で3年連続ワースト1となってしまっている。その割合は平成19年が16.9%、平成20年で16.4%、平成21年が16.5%となっている。医療崩壊、医師不足、コンビニ受診など聞かれる今、人の命を救う救急医療は、本当に大丈夫なのか。問題を探る。

 

政令市における平成21年中の重症患者における30分以上の現場滞在時間の割合は、川崎市の16.5%に対して、札幌市2.1%、仙台市8.4%、さいたま市8.4%、千葉市9.2%、東京消防庁9%、横浜市5.4%、新潟市8.7%、静岡市1.4%、浜松市1%、名古屋市1.9%、京都市3.2%、大阪市4%、境市3.1%、神戸市5.8%、岡山市0.9%、広島市7.2%、福岡市1.1%、北九州市1.1%となっている。川崎市が際立って悪い数値であることが分かる。

 

搬送の遅延をきたす原因は、重症患者のうち65歳以上の高齢の方が約7割を占めている。救急で受け入れると入院が長期化することが見込まれ、病院には受け入れ難い実情があるのだと市側は議会で答弁する。その他にも、処置中、ベッド満床などの理由があげられるという。満床だから救急を受け入れられない割合は18%あった。医者が処置中であるというのが41.2%、処置困難・医師の専門外など、医者が関係する内容をあわせると76%にも及ぶ。

 

 課題は、救急病院を退院した後に、その受け皿となる療養病床数が不足していることにある。神奈川県の保険医療計画の基準病床数の設定は、市町村の人口や受診率などの数値を基礎に算出している。療養病床数は、圏域ごとに計画で制限されているのである。一般病床と療養病床は、合算され基準病床数として示される。一般病床の稼働率は70%、療養病床の稼働率は90%を越えている。ある議員は、そのアンバランスを改善しなくてはならないと指摘する。

  私は、救急医療の問題の解決にも「地方分権化」が必要だと考えている。保健医療計画は、神奈川県が決めている。地域の実情は無視されているといっていい。川崎市の抱える地域事情が加味されていない保険医療計画が、これまで示してきた数値を如実に表しているのかもしれない。今後は、市独自の保健医療計画で施策が展開できるよう、分権を進めていかなくてはならない。国の規制も変えてもらわなくてはならない。国会議員のなかで、どれだけの議員がこの問題を理解しているのだろうか。

景観法

DSC03249.JPG日本の都市は、建築基準法や都市計画法によって、全国一律のルールで形成されてきた。統一した規格によって造られた街並みは、日本の文化は残しつつも、個性を感じさせない建築物と街並みを生みだしてきた側面がある。日本の法律は、このままでいいのであろうか。日本の美観を守るために、どんなルールが必要なのか。歴史とともに再考する。

都市政策を専門とする学者がこんなことを言っていた。「アメリカのワシントンDCでのこと。教授は、日本の自治体が作成した、我が町を紹介するポスターが並んでいるのを見て驚いたという。ほとんどの都市が、風光明媚な海岸線を写した海の風景ばかりだった」とか。欧米にあるランドマークとなる建築物が、日本には残念ながら少ないことを物語っている。

 1906年当時、東京市長であった尾崎行雄氏は、建築法素案の作成にあたった建築学会に「建築の美観」をコントロールできる内容を入れるよう要求していた。法案には、建築条例の章に「街上(がじょう)の体裁」を位置づけることに成功したが、建築条例の成立とはならなかった。その後、建築基準法にある「美観地区」として継承されている。

 明治時代の丸の内には、赤レンガの建物が並ぶ「一丁目ロンドン」と呼ばれる地域が存在していた。その1つであった三菱一号館は1968年に解体され、現在は230万個のレンガブロックを使用した、「三菱一号館美術館」として再現されている。

DSC03246.JPG景観は、国民共通の資産である。景観法の特徴は地域の個性が反映できるよう、条例で規制内容を柔軟に決めることができる。加えて、命令等いざというときに強制力を付与していることが、景観形成に重要な役割をはたしている。景観法に基づいた条例の運用により、自治体の秩序ある美しい街づくりに期待をしたい。

議会の見える化

市民の声には、「議会でどのような議論をして、議決はどうなったのか分かりづらい。議会が遠く感じる」などと言った声がある。それに対して多くの議会では、インターネットを介して本会議中継を行っている。気になる議員が議会で何を言っているのか、観ればすぐ分かるようになっている。

千葉県流山市議会では、『Ustream』で特別委員会を試行中継している。アメリカの動画共有サービスで、誰でも動画や映像を無料で配信することができるコンテンツである。委員会の映像を配信するのは、全国で始めての取組みである。経費があまりかからない点では、注目に値する。

話は変わるが、川崎市議会に「ツイッター議員」が急増している。私の知る限りでは、私も含めて7人の議員がつぶやいている。ツイッターは、議員と市民が直接つなぐ有効なソーシャルネットワーキングである。議会の可視化や議員の政策を知る一助になっていることは、言うまでもない。

 「政治家さんからのつぶやき」と題したHPがあることを、同僚の市議会議員から教えて頂き、私も早速エントリーをさせて頂いた。今では、実に多くの政治家がつぶやいていることが分かる。ちょっと、のぞいてみてはいかがでしょうか。

http://seijika.tw16.jp/kanagawa/

教室が足りない?!

DSC01395.JPG市議会において、一般質問を行いました。テーマは、宮前区の人口増加に伴う、不足する行政施設やサービスの対応についてです。そのうち、小・中学校の生徒・児童の増加に対する、教育委員会の対応について質問しました。宮前区の将来人口推計では、現在の218918人から平成32年には224300人まで増加することが見込まれています。

宮前区の人口増加によって子どもが増え、学校の校舎や校庭は狭隘化する心配はないのか気になるところです。過去には、平成18年に富士見台小学校区などの人口増加の対応として、鷺沼プール跡地に土橋小学校を新設した経緯があります。富士見台小学校では、校庭の敷地内に校舎を新設しました。

教育長の答弁によりますと、今後の宮前区内の児童・生徒数については、若干の減少が見込まれているとのことです。一方、著しい増加が見込まれているのは、犬蔵中学校区です。犬蔵2丁目の土地区画整理事業によって、犬蔵小学校・中学校の平成27年度の児童生徒数が、合計469名の増となることが分かりました。

 犬蔵小学校については、昨年、正門の隣接地を購入しています。予定では、校舎の増築か内部転用によって対応するとの答弁がありました。教育環境に支障がでない適切な対応を、行政に要望しました。詳しい内容は、後日、「議会発言集」にて報告します。

梅雨は花を楽しもう

IMG_0235.jpg梅雨のうっとうしい季節となりました。雨あがりには、花を楽しんでみてはいかがでしょうか。多摩区長尾にある「あじさい寺」(妙楽寺)のあじさいがちょうど見ごろを迎えています。あじさいの花に映る水滴が、梅雨の季節をひきたてています。

 

ちょっと話はそれますが、あじさいとシーボルトのこんな関係をご存知でしょうか。オランダ商館医師であったシーボルトは、27歳の時に長崎の地に降りたち、6年の間、西洋医学を日本人に広めた人物です。また、植物にも精通していたことから、あじさいの苗を西洋に持ち帰った人物でもあります。

逸話は、シーボルトが愛した日本人女性、楠本さんの名前に似せて、Hydrager otakusa(ヒドランゲア・オタクサ)と、あじさいの品種に命名したのは有名です。タキとタクが微妙に違っているところが気にはなりますが、好きな人の名前を花の名前にしてしまうところが、なんてロマンチックな話でしょう。

シーボルトは、日本から持ち出してはいけない物を持ちだそうとした、シーボルト事件がきっかけで、国外追放となってしまいました。追放から30年後に日本に再来日し、滝さんと再会を果たしたというから、その愛は本物だったのでしょう。

その季節に咲く花を楽しむ心。そんなゆとりをもつことができれば、時間のゆとりも生まれます。雨上がりのちょっとした時間を活用して、外に咲く花をみて歩くにはちょうどいい季節です。「あじさい寺」(妙楽寺)は、今の季節にいくお薦めの場所です。足をはこんでみてはいかがでしょうか。

南アフリカの軌跡

Wカップ南アフリカ大会が盛り上がりをみせている。次の日本 VS オランダ戦が楽しみである。試合日程は、19日土曜の午後8時半キックオフだとか。私は残念ながら、TVで観戦といきたいところだが、会合の日程が既に入ってしまっている。

さて、サッカーを楽しむ前に開催地、南アフリカの歴史を知ってみるのはどうであろうか。歴史的な背景によるエイズや貧困などの問題があり、グローバリゼーションがもたらした光と影が未だ渦まく国でもある。しかし、この人物を知らずして南アフリカを論じることはできない。ノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラ(1918~)氏である。マンデラ氏は、南アフリカ初の黒人大統領にもなった人物である。

皆さんは映画「マンデラの名もなき看守」を観たことがあるだろうか。私のお薦めの一作でもある。マンデラ氏は人種を越えた平和な世界を追い求め、人種差別に立ち向かった話は有名である。そのことで、反政府組織の首謀者として国家反逆罪に問われ、終身刑になってしまうのである。家族と分かれ離れになった、27年間の囚人生活は実に辛かっただろう。この作品は、牢獄の時から大統領になるまでの苦難の時代を描いた感動作である。

 アパルトヘイト政策は、当時の南アフリカ共和国が行った人種差別政策である。非白人者たちは、市民権や投票権も与えられず、居住地や就職、教育まで制限されていた。差別がもたらした自由なき社会は、マンデラ氏の人生そのものを変えてしまったのである。罪人から大統領へ、一人の男が起こした南アフリカの軌跡、素晴らしい実話である。

 今、その地、南アフリカが世界の注目を集めている。平和の祭典であるスポーツ・サッカーでも「南アフリカの軌跡」、起こらないか期待したい。

http://mandela.gaga.ne.jp/ (オフィスの方、音がでます)

空中楼閣だったのか

 首相のたった一言で26000円(昨年の夏のM党の目玉政策)のうちの13000円があっという間に消えてしまいました。空中楼閣とは、「大空の中に建物をつくるように、根拠のない物事、架空の物事」の意です。私たちは、蜃気楼でもみていたのでしょうか。川崎市では、子ども手当の支給が今日から始まりました。待ち望んでいた方もいれば、あーそうだったのと言う人もいるでしょう。そもそも、子ども手当の13000円の額は適当なのでしょうか。ここでは、受け取る側の視点ではなく、支出側(財源)の視点で論じてみます。

日本の子育て給付金は、GDP比で1.2%程度です。OECDの平均が2.3%ですから、先進国と比較すると見劣りするという議論があります。これは、はたして正しい見方なのでしょうか。OECDの消費税率は日本の2倍から4倍あります。国際比較財政研究という学問では、その国の歳入と歳出の構成を含めて議論しないと、数字のトリックに気がつかないことがあると教えています。

この制度は、国内の財政事情からみても問題があります。日本の2010年度予算は、過去最高の92兆円の予算を記録しました。税収が37兆円しかないのに、倍以上の予算を組んでいるのです。その原因の一つは、予算の見通しの甘さにあったといえます。なかでも、国の総予算である約200兆円から、事業仕分けなどの効果としで、9兆円を生みだすとしていました。実際は7000億円にとどまったのです。

子ども手当は、会期中の川崎市議会でも議論となりました。見切り発車的な側面が伺えるこの制度ですが、自治事務を預かる行政も対応に困っているのが現状です。川崎市が実施している他の手当や助成の取り扱いは、国の施策の方向性が定まらない限り、独自の施策の展開に影響を与えています。

子ども手当の満額支給を改め、保育所の待機児童対策や施設・サービスの充実に充てる方向性を示したことは評価します。大盤振る舞いの給付から転換を図り、真に困っている子育て家庭に支援を行うことが重要です。結果として少子化対策としても効果があがるのです。

セレンディピティ

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人は一週間のほとんどを、組織とかかわりながら時間を過ごしている

出来るなら、そのうちの数時間でいい

自然の中に身をゆだねる時間をつくりたいものである

私のオフタイムは、ヨットで海に出ることで

たまったストレスをリセットする

我が身を、地球の7割を占める大海原に身をまかせ

たった3割しかない地上でのストレスを

海のなかに捨ててくるのである

 

ヨットは、海風を読むスポーツ

こがなくても自然の力(風)が前進させてくれる

政治(地上)に吹く風は、何故か読みづらい

見えない風に流され、自分のいる場所を見失うこともある

海から陸をみるから、その自分に気がつくのかもしれない

 

一週間に一度、数時間のリセットタイムでいい

そんな時間がとれないと、時間がずれたまま

時が過ぎていくような気がしてしまう

全ての時間は、対極の時間をつくることで

思わぬひらめきや発見と出逢えるチャンスと変わる

そらが、セレンディピティなのかもしれない

「最小不幸の社会」って?

 「最小不幸の社会をつくることだと考えている」。菅首相が言ったこの言葉の意味は、一体どんな意味があったのか。なんだか、暗い社会をイメージしてしまう。不幸なことがなるべく起こらないような社会を実現したいとでも言いたかったのか。

 今朝の朝日新聞「私の視点」にあった、米コロンビア大学教授のジェラルド・カーティス氏の寄稿文が目にとまった。インデックスには「菅首相への注文」とある。読んでみると「今のように国民が未来に大きな不安を抱いている時に政治指導者が暗い話をすれば、国民はより暗くなる、やる気も失せる。菅さんは、これをやれば絶対によくなると語ることが大事だ」。

菅首相の言葉は、市民運動家であった菅氏の生い立ちから出た発想として捉えれば、このメッセージも理解できなくもない。しかし、ネガティブな印象を与えるメッセージなら言わない方がいい。

 私はジェラルド・カーティス氏の著書が好きである。大学院で政治学を研究していた時に、明治大学大学院教授の中邨先生に、カーティス氏の著書『政治と秋刀魚』を薦められて読んだことがあった。この題名、ちょっと興味が誘われませんか。長年、日本で政治を見続けてきたカーティス氏の著書は、日本の政治評論家よりも的をえているロジックに、インパクトを受けたのである。

今の行き過ぎた政策にまったをかけられるのは、野党である自民党でしかない。日本はこのままいけば「糸の切れた社会主義国家」になってしまうとまで言う者がいる。政治体制は、グリッド・ロック(ねじれ)をあえて選択しなければ、最小不幸どころの話ではすまなくなる。私は、今の政権の政策に危機感を抱いている。

やっぱり個室がいい

川崎市議会定例議会の各会派の代表質問が終わった。市政課題の議論で気になったことがあった。特別養護老人ホームの新たな施設整備に対して、ユニット型(個室)か相部屋(4人部屋)かで、国と自治体の見解が分かれているという。国は、ユニット型(個室)を勧めたいと考えている。一方、従来型(相部屋が並ぶ)を勧めたい県や市は折衷案を取り、ユニット型と相部屋を兼ね備えた「一部ユニット型」を勧める方針だと答弁した。

待機者のアンケート結果は、相部屋を希望する人は48%と多く、個室を希望する者が23%と少ない。その理由は簡単である。ユニット型(個室)だと費用が高くなるからだという。事実、要介護5のケースだが、従来型の相部屋は平均9万円だが、ユニット型だと16万円もかかる。アンケートの結果は、ある意味うなずける。

 厚生労働省は、個室面積基準を引き下げる方針を示している。居住費をなるべく下げたいと考えているからのようだ。当然、多くの人が考えているように、できるならプライベートが確保された個室の方が望ましい。ただ、費用が16万円ともなると話は別だ。利用できる人が限られてくることが問題である。

 国と自治体が意見の対立をしている場合ではない。日本には、42万人の待機者がいる事実をどう認識しているのだろうか。特養の整備促進と同時に、入居者の経済的な負担軽減策を、国や自治体は一緒になって考えていくべきである。

 

心理学から見た政治

アブラハム・マズロー(アメリカの心理学者)が提唱する欲求段階説は、5段階からなっている。人間が持つ欲求を次の順で示している。1生理的欲求、2安全の欲求、3親和の欲求、4自我の欲求、5自己実現の欲求である。これらはピラミッド型で表している。 

 

12は、生きるための基本的な欲求で、衣食住を求めることから始まる。ピラミッドの底辺にあたる。3は他者との関わりを求める集団的帰属となる。45となると、社会において認められようとする、競争原理が加わった欲求へと変わっていく。

 

現政権の政策は、社会主義だと言いきった政治家がいた。子ども手当、高校無償化、高速道路無料化。負担は借金をフル活用し、国がなるべく面倒をみていくから心配ない。公平至上主義社会を目指そうと言わんばかりの政策。

 

日本の発展を支えてきたのは、努力をした人が報われる社会にある。マズローの言う欲求5段階説が、精神的な役割を自然に果たし、経済や社会の発展をけん引してきた側面がある。自分から頑張ろうとする自立心を育む政策。一度失敗しても、再チャレンジか可能な社会。それを創るのが政治の役割なのである。

街には意外な物が

IMG_0194.jpg昨日は、「世界環境デー」。日本ではこの6月が「環境月間」となっています。今朝は、「野川クリーン大作戦」に参加しました。私が子ども達に向けて言ったのは「足元のゴミから世界の環境問題を考えてもらえる良い機会になれば」と挨拶しました。さあ!子ども達と一緒にゴミ拾いです。右手には軍手、左手にビニール袋を持ち、街のゴミ拾いです。

街に落ちているものは多種多様です。一番多かったのは、たばこの吸い殻でした。続いてペットボトルや空き缶、菓子袋も拾いあっという間に袋が一杯になりました。意外な物も落ちていました。サンゴ礁、靴、携帯など、子ども達もびっくりです。通りがかりの矢上川では、亀を2匹発見し、乗り出して見ていました。飼われていたものがきっと捨てられたのでしょう。もしかして、亀も落し物?歩いてみるといろんな発見があります IMG_0195.jpg

 子ども達も、ご近所のゴミを拾うことによって、自分の住む街に対する意識を高める良い機会になってもらえたのではと思います。一人の小さい女の子が、たばこの吸い殻を拾いながら言いました。「私、大人になったらたばこを吸わない人になる」。

成長戦略はどこへ行く

次期首相は、民主党の動きを見ていると、どうやら菅さんの流れのようですね。菅さんと言えば、参議院予算委員会(平成22126日)で、こんな問題を起こしています。林芳正参議院議員が菅財務大臣に対して質問した際に、答弁がまとを得ず、委員会が中断してしまったことがありました。

林議員の質問は、子ども手当の乗数効果(政策の波及効果のこと)について質問したのですが、菅大臣は聞かれてもいない消費性向(支給額から消費に回る割合)を答弁してしまったのです。

経済学部の1年生だったら誰でもが知っているようなことを、解らなかった菅財務大臣のことが、一時、twitter上でも騒がれました。そんな経済音痴の政治家が首相になって日本経済は本当に大丈夫なのでしょうか。

これからの日本経済に大事なことは、GDPデフレギャップを埋める成長戦略です。どのように埋めていくかが、今後の経済再生の要諦であることは、言うまでもありません。

我が党の成長戦略をリンクします。https://youth.jimin.or.jp/iken/

辞任演説の疑問

今日は、鳩山辞任にふれなくてはならない。フランスの大統領だったド・ゴールは言った。「権威は威信なくしては成立せず、威信は世俗との隔離なしでは成り立たない」。では、威信とはなんであろう。広辞苑には、「威光と信望」の意である。つまり、政治は、国民の信用なくしては成り立たない、の意に解釈できる。

 

 鳩山首相は、民主党の両院議員総会の辞任挨拶で言った。「国民の皆さんが徐々に聞く耳をもたなくなってしまった」。総理は加えて、原因は2つあると言った。1つは、「普天間の問題...」。2つは、「社民党に政権離脱という厳しい道に追い込んでしまったこと」。えっ!これって、ロジックがこれおかしくないか。参議院選挙のことを言いたかったのでしょうか。

 

 ゲーテの言葉を想いだした。「虹だって15分続いたら人はもうみむかない」。これまでの鳩山発言や辞任演説は、生活の夢を語り実に素晴らしかった。常に7色の虹(民主党マニフェスト)のように、綺麗だった。今はその虹、皆様方はどのように映って見えますか。

なぜ、沖縄の土地を!?

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自民党全国政令指定都市市議会議員の総会出席のため、新潟市に来ています。朝を迎えたホテルでのブログ更新です。これから、川崎へ移動します。さて、昨夜はゲストの石原伸晃衆議院議員と挨拶を交わしました。石原代議士は、自民党組織運動本部長のお立場です。印象は、笑顔で対応して頂き、明るい親しみやすい方だと感じました。

さて、石原氏の講演での主な話は、普天間基地問題でした。内容は、民主党小沢幹事長のことにふれました。小沢氏は、辺野古の横、宜野座村という所に5174ヘーベの土地を所有していることを明かしました。その土地の購入は、日米合意が決まった平成17年秋、問題になっている世田谷区深沢の土地を購入したのとほぼ同時期のことだとか。沖縄県民の心を考え、国会議員の立場にある者なら、その土地を街に寄付するなどの対応をするのは当然であり、決して許してはならないと主張されました。

この話は、国民にはほとんど知らされていない事実です。岩手県出身の国会議員が、何故、基地移設先として言われている辺野古に近い、その土地を購入しているのでしょう。普通に考えても疑問を持ってしまいます。2014年には、間違いなく普天間と嘉手納南の土地が戻るとしていたに、結局ご和算になってしまいました。最悪の事態となってしまった責任は、大きいのではないでしょうか。我々の知らない事実、まだあるのでは・・・。