原子力政策を問う

先日、青森県六カ所村にある、日本原燃㈱を視察した。ここは、原子力発電所で使用された核燃料を再処理するための施設である。使用済燃料は95%から97%程度は再利用できるという。その再処理をこの会社が担っていた。そこは、厳重な警備の中にあった。

カナダやオーストラリアから輸入した天然のウラン235は、利用可能な成分が0.7%と低い。再びエネルギーにするには、ガス拡散法や遠心分離法により、ウラン235の濃度を35%にまで濃縮しなくてはならない。敷地内にあるウラン濃縮工場で、新型遠心機により生産している。

再処理工場では、ウランとプルトニウム、核分裂生成物に分ける。そして、再生されたウラン酸化物とプルトニウム酸化物は、それぞれ専用の容器にて貯蔵される。

使用済核燃料は全てがゴミではなく、再び利用できるエネルギーとなる事実を見てきた。「トイレなきマンション」と表現されていることが正しいのか否かは、論じるにはまだ見識が浅い。現在、参議院議員選挙が行われている。各政党の原子力政策に違いがあるので比べたい。この選挙の1つの争点と言っていい。