ガーデン区

 ガーデン区といえば、E・ハワードの提唱した田園都市構想をイメージする。イギリスのレッチワースを舞台として、農村と都市とを融合させた理想都市を実現した。都市政策のお手本として、よく紹介される事例となっている。表題の「ガーデン区」というのは、宮前区の区づくりで目指している、緑化施策のことである。どこまで進んでいるのか。

 

 平成22年度に「宮前平・鷺沼駅周辺地区緑化推進重点地区計画」が策定された。基本理念にはこう記されている。『まちの顔となる駅・インターチェンジや身近な公園・農・街路の緑を大切に守り・創造し、美しく輝く「庭園都市」となるよう、地区に関わる様々な主体の手で、緑を大切に育んでいきます』とある。一言でいえば、宮前区の街全体を庭と捉え、協働で緑化を推進するというのである。

 

 具体的には、鷺沼駅・宮前平駅周辺を重点に、駅前空間でのガーデンづくりを推進する。東名川崎インター出口周辺では、尻手黒川道路中央分離帯にオオムラサキつつじ等の植樹を行う。街の顔となるような人目にふれやすい場所での景観を花と緑で飾ることで、庭園都市を演出する。

 

 ハワードが提唱した田園都市構想もそうであったように、秩序ある緑の創設には、民間の力が欠かせない。区民との協働によって育まれた緑化こそ、豊かな生活と緑を創出する。緑の活動団体が盛んな宮前区の地域性を活かせば、「ガーデン区=宮前区」というイメージが定着する日は近いはず。まずは、鷺沼駅・宮前平駅周辺を中心としたガーデン区づくり、注目していきたい。