斬新工夫予算

川崎市議会第一回定例会がスタートした。阿部市長の市政方針演説が49分間にわたり行われた。そこでは、平成23年度予算に対する3つの基本姿勢が示された。1つは、川崎再生フロンティアプランの着実な推進。2つは、自治基本条例に基づく市民本位のまちづくり。3つには、行財政改革の推進を挙げた。加えて、川崎市の地の利とポテンシャルを活かした施策をいくつか掲げている。

 

 市長により示された一般会計予算案では、6180億円(対前年比1%増)が計上された。市内経済がようやく上方に向かう兆しが伺える。特別会計は、4848億円(対前年比9.4%増)、企業会計は、2214億円(対前年比4.3%増)。合計すると13243億円余(対前年比4.5%増)に及ぶ。

 

市はこの予算を、「斬新工夫予算」と名付けた。斬新の意味をスーパー辞林で調べると、「発想が独自で、それまでにまったく類のないさま。」とある。これに「工夫」を加えていることは、厳しい財政状況の中にあって、歳入と歳出のバランスをとることに苦労したことが伺える。

 

 予算案は、いずれも増収となり過去最大規模となっている。しかし、扶助費の増などを見据えれば、緊縮財政をとらざる得ない。そこで、行財政改革を確実に実行するこが必要である。市民参加のしやすい土壌を、行政がつくることも忘れてはならない。その結果、示された実行計画を確実なものとする。行政から提案された予算案を、しっかり議論していきたい。