議会発言集
議会発言集
令和 4年 決算審査特別委員会(健康福祉分科会 第2日)−09月29日-07号
令和3年 決算審査特別委員会(文教分科会 第1日)−09月22日-04号
令和2年 決算審査特別委員会(文教分科会 第2日)−09月25日-05号
令和1年 決算審査特別委員会(総務分科会 第1日)−09月19日-02号
令和1年 決算審査特別委員会(総務分科会 第2日)−09月25日-03号
平成30年 決算審査特別委員会(健康福祉分科会 第2日)−09月28日-
平成29年 決算審査特別委員会(総務分科会 第2日)−09月21日-
平成29年 決算審査特別委員会(総務分科会 第1日)−09月19日-
平成27年 第1回定例会ー2月26日ー 自民党代表質問(前編)
平成15年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月12日
平成12年 決算審査特別委員会(一般会計・特別会計)−12月11日-
平成15年 予算審査特別委員会−03月03日-
石田康博 委員 小児医療費対策事業について健康福祉局長に,魅力ある区づくり推進事業について市民局長と市長に,それぞれ一問一答方式で伺います。
まず初めに,小児医療費対策事業についてですが,ことしの冬は,インフルエンザ感染者が昨年に比べふえており,合併症として小児が脳症にかかってしまう重病なケースもふえるなど,小児救急医療対策の充実が今後さらに求められているところであります。そこで,本市にはこれまでに2カ所の小児急病センターが運営され,急病の子どもの対応をしているところでありますが,まず,予算案に計上された小児急病センター事業費の内訳をお示しください。
石野厚 健康福祉局長 小児急病センター事業費についての御質問でございますが,事業費の内訳についてでございますが,多摩休日夜間急患診療所内に設置しております北部小児急病センターの医師,看護師等,診療スタッフに係る経費として1億949万5,000円,レントゲン保守料の70万9,000円と,市立川崎病院内に設置しております南部小児急病センターの医師派遣報償費等として516万円を計上しているところでございます。以上でございます。
石田康博 委員 南部小児急病センターと北部小児急病センターの利用実績の推移をお示しください。また,全国では小児科医の不足が問題になっていますが,その問題の解決に向けた本市の対応として,小児救急医療確保調整事業により小児救急医確保調整会議が開かれ,さまざまな検討が行われているところであります。現在までの医師の対応状況はどのようになっているのかお示しください。以上です。
石野厚 健康福祉局長 小児急病センター利用実績等の御質問でございますが,南部小児急病センターは平成14年4月15日に開設し,平成15年1月末までの受診者数は延べ1万 1,766人で,1日平均では約41人となっております。また,北部小児急病センターは同年6月1日に開設し,同じく平成15年1月末までに延べ 8,351人で,1日平均では約35人を数えております。両センターとも各月によってばらつきがございますが,特にインフルエンザの影響から,12月は南部小児急病センターが1日平均56人,北部小児急病センターは1日平均46人,1月にはそれぞれのセンターの1日平均が66人と55人と,特に多くなっております。
次に,小児科医師の確保の状況でございますが,全国的に小児科医が減少傾向にあることから,小児救急医療の充実した診療体制の強化につきましては,小児科医の安定確保が不可欠でありますので,小児科救急医確保事業費を活用し,関係団体とも医師の確保等について調整を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
石田康博 委員 ことしの冬は特にインフルエンザが流行し,12月と1月が両センターとも極めて多くなってしまっていることがわかりました。そこで,人口が著しく増加している北部地域では,北部小児急病センターのみの対応では間に合わないなどの意見が多く聞かれています。新設を含めた新たな対応が求められておりますが,対応策があればお示しください。以上です。
石野厚 健康福祉局長 小児急病センターの新設についての御質問でございますが,小児科医師の確保は大変厳しい状況にあることから,現状では新設は難しいものと考えておりますが,平成17年度には北部医療施設の開設を予定しております。北部医療施設では,小児科を含めた北部地区の救急医療を積極的に展開していくこととしておりますので,双方で連携をとりながら,小児救急医療体制の充実に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
石田康博 委員 意見,要望になりますが,北部ではここ数年人口増加が著しく,充実した小児救急の重要性が高まっている地域であります。例えば宮前区の地域では,平日の小児の受け入れ先として,聖マリアンナ病院などで対応が行われています。日曜日には宮前休日急患診療所で対応が行われています。しかし,聖マリアンナ病院や北部小児急病センターでは,ことしの冬にはやりましたインフルエンザの影響と,宮前区に住まわれている方の平均年齢が37.3歳と7区の中でも最も若く,比較的若い夫婦が多いことから子どもたちがふえているなどの地域性により,診療待ちで大変混み合っているのが実情であります。さらに問題なのは,それ以外の時間帯では,平日の夜間及び土曜日,日曜日の夜間は対応がとれず,病気になってしまった子どもたちが行き場を失ってしまっているのが現状であります。一刻を争う小児の急患が出た場合に診療が可能な病院が見当たらず,その対応がおくれてしまっていることもあるとのことであります。開業の小児科医には夜間などは受け入れてもらえず,救急指定の病院でも小児科医がいるとは限らないなど,小さな子どもたちを育てる両親は,常に不安を抱えながら子育てをしている状況であります。
厚生労働省の調査によると,全国では病院から小児科がここ10年間減少傾向を続け,1年間では全国にある病院の小児科が200近く減っているとのことであります。厚生労働省での対策として,休日や夜間の診療に当たる小児科医を確保するための事業として,小児科救急医療支援事業の体制づくりを進めるなど対策を講じているものの,なかなか成果が見出せず,国を挙げてさらなる強化策が求められているところであります。
これから先重要なのは小児科や小児科医の減少を食いとめることであり,休日や夜間の体制を強化することであると考えます。そこで提案でありますが,公立病院で,内科医に対して小児救急研修なども考えるべきだと考えます。さらに,時を選ばない子どもたちの急病にしっかり対応できる充実した医療体制を構築するために,宮前休日急患診療所に夜間の小児科医師を派遣していただく対策を講じることや,平成17年度開設を目指した北部医療施設の診療科目で,小児科の充実も図っていただくなどの強化策を要望いたします。御答弁では,今後の対応として,北部医療施設や北部小児急病センターとの連携をとりながら,小児救急医療体制の充実に努めていただけるとのことでありますので,その対応に期待をいたします。
次に,魅力ある区づくり推進事業について,市民局長と市長に伺います。各区が提示した計35の事業のうち,新規事業が13種類で,拡充事業が2種類となっております。職員の意見の取り入れやワークショップなど,いろいろな意見の集約の仕方があるととらえますが,これらの魅力ある区づくり推進事業が決定されるまでの経過をお示しください。
大木稔 市民局長 魅力ある区づくり推進事業についての御質問でございますが,魅力ある区づくり推進事業は,区役所機能の拡充を目指し,各区役所が,地域の身近な課題や緊急的区民ニーズ等に主体的かつ迅速に対応することを目的に実施するものでございます。それぞれの事業内容が決定されるまでの経過でございますが,各区役所では,日ごろからまちづくり推進組織を初め,各種団体,個人等から,さまざまな意見,要望等の把握に努めております。こうした意見,要望等の中から,地域課題や区民ニーズを抽出し,これらに対応した事業の立案を区役所で行いますが,その検討に当たっては,若手職員を中心としたチームで検討していく区や,区役所内の各部署から候補事業を挙げていく区など,さまざまな方法がございます。いずれにいたしましても,各区にございます住民組織を初め,各分野の団体,公募区民から成る区政推進会議に諮問し,最終的には区長が決定するものでございます。以上でございます。
石田康博 委員 これからの区づくりのあり方として,それぞれの区の持つ特徴を生かした区づくりを進めていくことが望まれております。そこで,宮前区の新規事業として,宮前区にある豊かな自然を利用したみやまえ散歩道整備が示されておりますが,その具体的な内容について伺います。以上です。
大木稔 市民局長 みやまえ散歩道整備事業についての御質問でございますが,宮前区は,多摩丘陵に抱かれ多くの自然が残されていることから,この特色を生かした形で地域の活性化を目指しております。既に区民みずからが歩いて調査し,作成いたしました「みやまえガイドマップ」に自然の豊かさ,歴史性,さらに安全性など多角的に検討して選定した11の散歩道がございます。今回のみやまえ散歩道整備事業は,その散歩道をより区民に親しまれるように,幾つかのコースに道しるべとなる案内板等を整備するものでございます。なお,事業の実施に当たりましては,多くの区民の皆様の御意見をお聞きしながら,より親しまれる散歩道となるよう整備していくものと,宮前区役所から伺っております。以上でございます。
石田康博 委員 お隣の横浜市では,地域間競争を促しながら,地域の特徴あるまちづくりと個性ある魅力的なまちづくりを引き出すために,各区長の予算要望が可能となり,各区がプランを作成し,市長に対して予算要望を行い,区長の裁量とプランの実効性が認められれば必要な予算が確保できるという予算措置が行われております。本市にも,魅力ある区づくり推進の観点から,しっかりとした目標を立てて競争意識を高めながら,個性あるまちづくりを推進していくことこそ必要かと考えます。地域間競争を促すための予算措置を講じることもよいかと考えますが,市長の見解を伺います。
阿部孝夫 市長 魅力ある区づくり推進事業についてのお尋ねでございますが,魅力ある区づくり推進事業は,各区役所が地域の身近な課題や緊急的区民ニーズ等に,区役所が主体的に,かつ迅速に対応することができるように体制を整えることを目的としておりまして,平成14年度から,区役所機能の強化を予算面から担保しようと考えて予算額を倍増し,各区5,000万円としたところでございます。私の持論であります区役所機能,すなわち区長権限の強化を進めていくためには,組織・機構,法制度等,さまざまな角度からの改革が必要であると考えておりまして,現在,土木事務所の区役所への編入や保健福祉機能の統合などに取り組んでいるところでございます。したがいまして,これらの区長権限の強化の取り組みとあわせまして,区長による予算要望を含めた区予算のあり方につきましても,今後検討を進めていく予定でございます。
なお,平成14年度魅力ある区づくり推進事業につきましては,全事業終了後に総括を行う予定でございますので,御指摘の競争原理を生かした予算配分につきましては,この総括を行う中で,平成16年度予算編成に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
石田康博 委員 御答弁いただきましてありがとうございました。
最後に意見,要望になりますが,平成12年4月に施行された地方分権一括法により,地方自治体の役割は国から移譲された権限を有効に活用し,限られた財源から,効果的で,また効率的な行政サービスを行うことだと考えます。また,住民の福祉の増進を図ることを基本とするのは当然のことながら,地域における行政サービスを効果的かつ総合的に実施する役割を担っているところでもあります。今後,そうした施策を進めるための手段として,各局から各区への権限移譲も必要でありますし,また,予算措置では競争原理もその効果を高めるものと考えます。
川崎市では,地形的に多摩川の流れに沿いながら長い形状をしているため,7区の特徴もそれぞれ違う特徴を持った顔を見せております。当然のことながら,臨海部の南部と,また内陸の北部では,環境も市民の行動についても違うわけであります。例えば宮前区では,宮前区の坂道が多い地形とそこに残された自然に触れ,健康増進に役立てようとみやまえ散歩道整備事業が示されたわけであります。したがいまして,各区が持つ特徴を引き出す政策こそ,行政と市民が一体のものとなり,さらに身近な行政が実現され,行政サービスの質の向上につながることにもなるわけであります。今後,庁内の権限と役割の調整が必要になるかと思いますが,競争原理の導入を含め,調整をしていき,同時に区長の権限強化も進めていただきながら,それぞれのアイデアが生かされ,かつ市民の意見が反映された各区の魅力あるまちづくりが実現できる仕組みづくりを進めていただけることを要望いたします。
いただきました御答弁では,競争原理を生かした予算配分については,平成16年度予算編成に向けた検討をしていただけるとのことであります。その取り組みに期待をいたします。質問を終わります。