2013年9月アーカイブ

  「学校施設開放における体育館利用の受益者負担の適正化における子どもが主体の団体使用に対する減免措置に関する請願」が、総務委員会で議論し「採択」の結論に至った。これを受け市では平成26年1月から体育館の利用において光熱水費相当額を徴収し、子どもが主体となるスポーツ団体などは、対象から外すことになった。

 市では放課後や休日の校庭、体育館などを開放する、学校施設有効活用事業を実施している。現在は、そのほとんどの経費を使用者負担ではなく税金で賄っていた。しかし、市の検討委員会などでは、適正化の観点から、受益者負担の導入に向けた検討を重ねてきた。包括外部監査では、「利用者に一定の受益者負担を求めることが望ましい」との意見が示されていたからだ。

 制度の改正の根拠として、他都市の学校開放状況調査の結果では、19の政令指定都市の内、16市が学校施設開放において有料化となっていることが挙げられる。また、市民アンケートでは85%、利用団体アンケートでは57%が学校開放における受益者負担に肯定的だとした結果も出ており、制度改正に対する前向きな市民の意見が示されていた。

 検討を重ねた結果、学校の体育館ごとに150円から500円の負担を求めることになった。但し、市議会総務委員会の審査結果を受けて、「市内に在住する義務教育終了前の子ども(構成人数の半分以上は子ども)と指導者その他活動を支援する者で構成する団体、及び、主に障がい者と指導者で構成する団体」は、使用料を免除することになった。

 今回の制度改正によって市民負担に対する公平性の是正がなされた。今後の利用者の方々には、負担増に対する理解を求めることも大切である。受益者負担の適正化を図ると同時に、子どもの健全育成や障がい者の社会参加を目的としている配慮が含まれた点を評価する。市有財産の有効活用を適正に進め、市民活動の活性化に期待したい。

都市をデザインする

IMG_1928.jpg 横浜市都市デザイン室に行って、室長にお話を伺ってきました。以前NHKを観た際、横浜市の施策によって、みなとみらいの景観形成が保たれていることを知りました。大桟橋からの港の景色は、無造作に創られた都市でないことを証明しています。そこで以前から、川崎市にこのデザイン手法を取り入れることはできないか、調査したいと考えていました。

 

 横浜市では、1971年にアーバンデザインチーム(企画調整局内)が結成されました。その後、都市デザイン担当が置かれ、1983年に都市計画局に替わりました。2005年に都市デザイン室(都市整備局)に名称が変更されました。都市をデザインする名称としたのは、素敵な発想です。

 我々が良く知るみなとみらいは、みなとみらい地区と新港地区に分かれています。みなとみらい地区の象徴は、ランドマークタワーです。このエリアでは、白を基調とした色彩で統一しています。建物の高度限度においては、海に近い位置から60m、100m、120m、180m、300mとなっており、綺麗なスカイラインを形成しています。

 新港地区の象徴は、赤レンガ倉庫です。歴史の継承が反映している旧市街地のように、古き良き明治期の時代を意識した建物が並んでいます。形態衣装はレンガを基調とするなど、茶色に統一されています。横浜の港の歴史を感じることができる場所として、観光客を集めています。これらの街づくりの手法として「街づくり基本協定」があります。この協定は、地権者の間で自主的なルールを決定し、調和の取れた街づくりを目指しています。例えば、環境、街並み、色調などをお互い規定し、守るのです。 

 川崎市では、まちづくり局がそれにあたります。横浜市の都市デザイン室は、美しい港の景観を形成してきました。名称の違いこそあれ、横浜市の都市政策のセンスを感じます。室長からお話を伺い、川崎市の新たな街づくりどうつなげていけるのか、今後、考察していきます。