2012年11月アーカイブ

石田議員2.jpg川崎市は平成25年度予算を編成する時期を迎えています。そこで、宮前区議員団は過日に開催された宮前市政研究会にて、地域の課題を議論し、来年度予算に対する要望事項を取りまとめていました。今日は、その「平成25年度予算要望書」を、阿部川崎市長に手渡しました。要望内容は下記の通りであります。

 


 

Ⅰ 緊急要望事項

1 地震災害などに対する地域防災力向上への取組の推進

2 保育待機児童の解消及び子育て支援体制の推進

3 川崎縦貫高速鉄道の環境整備など交通不便地域の解消を含めた区内における総合的な交通体系の構築

4 区内の市バス路線の見直し及び公共機関・医療機関を結ぶ循環バス路線

  の整備・拡充並びに交通不便地域の解消をめざした地域公共交通として

  のコミュニティ交通の整備

5 業務・商業の地域生活拠点としての鷺沼駅周辺をはじめとする駅前再整備の促進(特にインフラ・ハード面の整備)並びに区内3駅周辺及び公共施設等のバリアフリー化の促進

6 宮前区内の都市計画道路及び幹線道路(横浜生田線の水沢工区など)の整備促進並びに交差点(清水台・馬絹など)の混雑緩和及び安全対策

7 ゲリラ豪雨等風水害対策及び傾斜地崩壊等の土砂災害防止に向けた対策

  の推進、さらに宮前平駅周辺の矢上川や南野川地区などの冠水対策の推進

8 特別養護老人ホームや療養病床など、高齢者福祉施設の拡充及び認知症対策の推進

9 いじめ問題及び幼児・児童虐待問題に対応するこども相談の推進・強化

10  特別支援教育の充実と各種関連機関との連携推進

11 障害者(児)施策の拡充

 

Ⅱ 重要要望事項

1 地域における安全・安心なまちづくりに向けた防犯・交通安全への取組の促進

2 行政区の権限拡大とそれに伴う予算措置

3 区役所駐車場の混雑解消に向けた駐車場の増設及び周辺駐車場活用の検

  討

4 緑地の保全及び大公園の用地確保の推進並びに適正な管理費と管理体制の確保

5 区内河川の親水化及び環境教育・学習での活用促進並びに維持水量の確

  保

6 野球やサッカーなど多目的に使用できる区内の野外スポーツ施設の整備

7 地域医療の充実に向けた産科及び小児医療体制の強化

8 こども文化センターをはじめとする、地域コミュニティ及び市民活動支援のための拠点改修と広報の拡充

9 区内商店街の活性化及び商業振興策の促進

10 川崎市中央卸売市場中長期プラン基本計画の着実な推進

大都市制度を勉強

川崎市議会による研修会に、出席しました。伊藤正次首都大学東京大学員教授の講義です。「新しい大都市制度について」をテーマにしたお話しでした。大都市制度の論点や国で行われている第30次地方制度調査会での議論の説明がありました。

 

国・県・市の三層構造からもたらされる、二重行政の弊害をどう改めていくのか問われています。そこで、二重行政の解消に向けた「特別自治市」構想の課題やメリットなどの話を聴きました。

 

 大阪都構想の提起のきっかけとなった二重行政の弊害を、どう改めていくのか。県と政令指定都市の役割を考えると、大都市制度の見直しに向けた議論の必要性を痛感しました。今後の、地方制度調査会の議論に注目です。

おちつかない日々

 衆議院が解散され、忙しさに拍車がかっています。例年であれば、12月市議会定例会に集中し、夜は忘年会の参加となります。今年ばかりはそうした日程に加えて、選挙関係の日程が次から次へと入ってきます。

 

 決戦を控え、地方議員は、時に国政も語らなくてはならない場面が出てきます。そうした準備もしておく必要があります。新聞各紙の朝刊の政治に関係した特集は、重要な情報が詰まっていますので必読です。情報収集のため党のHPをチェックし、政策のインプットも欠かせません。

 

 自民党のHPには、新たに自民党政権公約がアップされています。意外と勉強になるのがこの動画、「Café Sta」です。私がかつて国会議員の秘書をしていた時、時間調整でよくお茶をしていたカフェ(自民党本部1階)をスタジオにしているようです。特に1112日の平将明議員の経済トークは、分かりやすく勉強になるのでお薦めです。他にも、自民党の政策が分かりやすく動画で観れます。

リニューアルオープン

IMG_1169.JPG 東日本大震災により天井の崩落被害のあった「ミューザ川崎シンフォニーホール」の改修も進み、再開の日程が決まりました。また、都市再生機構に対して、約19億円の損害賠償請求をする旨の報告がありました。(市民委員会)

 

〈リニューアルオープン式典〉

  日時 平成2541日(月)午後2時開演

  内容 第一部 式典

①オープニング:パイプオルガン/松居直美

②式典

③コンサート:バイオリン/大谷康子

     第二部 コンサート 管弦楽/東京交響楽団

             (川崎市フランチャイズオーケストラ)

 

※市民の方を招待します。

吸引力を引き出す都市政策

IMG_1167.JPG阿部川崎市長の市政報告会に行った。会場はほぼ満席で立ち見が出るほどだ。元大学教授の阿部市長、専門である都市政策の話は、聴いていて実にためになる。司会者は開会で「2001年の今日、阿部市長が初登頂を迎えた記念の日」だという。市長が就任してからこれまで、市はどう変わっているのだろう。

 

市の特徴を現すデータとして興味深い数字を披露した。10年間の人口増加率は他の都市を引き離し、断トツ1位。出生率は21年連続1位。婚姻率は26年連続1位と明るい数字が並ぶ。阿部市長は、こうした「吸引力」を創り出す街づくりを実現している。

 

中長期的な街づくりの方向性についての話では、4つの駅を拠点にしたコンパクトで利便性の高い都市基盤整備を推進しているという。キーワードは「4つの化(ばけ)」を基本にしている。コンパクト化、長寿命化、エコ化、ユニバーサル化である。

 

~省略~

 

話は具体的に進む。臨海部においては、港湾物流拠点が発展している。川崎港は羽田空港も近く、地の利がいい。例えば、郵便事業株式会社が平成255月に進出する。神戸にあった国際郵便の拠点が川崎に来るという。全体で雇用効果は約2600人。賃料収入は約87000万円と期待されている・・・。

 

環境面では、川崎の公害を克服してきた経験から、環境技術が発展した。工業生産と環境技術が両立している点は、国際都市としてはすごいこと。今では化学物質で公害物質を除去している・・・

 

首長の考えを聴く事は、議員ならなおさら重要なことである。行政と向きあう議会での議論に、参考となる。平成25年度を迎える阿部市政の都市政策はいかに。全ての意味で「吸引力」となる都市政策に期待したい。

横断歩道の新設

IMG_1149_copy.jpg昨日の市民委員会で、「横断歩道の設置を求める」内容の陳情審査を行った。横断歩道を新たに設置するには、安全上の配慮が必要である。歩行者の横断に適した場所のかどうかである。横断歩道を新たに設置する基準は、警察庁の交通規制基準に基づかなくては成らない。最終的には、交通管理者である警察が判断することになる。陳情の審査の結果「継続」扱いとなった。

 

規制実施基準によって原則設置しないとしている条件は「勾配の急な場所若しくは坂の頂上付近又は見通しのきかない道路のまがりかど及びその付近」あるいは「滞留スペースなどの設置」を挙げている。確かに、新設すれば利便性は向上するだろう。しかし、設置基準を無視してはならない。

 

 陳情にある要望の場所はT字路にあたる。新たに横断歩道の設置を求めているのは、道路がカーブする先にあった。仮に設置した場合、横断歩行者が運転手の視界の影になり、発見が遅れる可能性がある。また、滞留場所もない。車の通過を待つ場所がないのだ。市の見解には横断歩道の設置とは別に、一方にのみある歩道の幅を狭めて、歩道のない側をカラー舗装などの安全対策も検討の余地があるという。

 

 結果、横断歩道を設置すると、かえって交通事故を誘発する危険すらある。つまり、規制実施基準の留意事項にかかり、国の基準からすれば、横断歩道の設置は難しい場所となる。しかし、総合的な交通安全のための対策は行うべきである。今後、市と警察の協議による、安全対策に期待したい。

 

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 宮前区は「宮前区地域交通環境整備事業」として、宮前区役所・宮前平駅・鷺沼駅の3点を結ぶバス路線の設置に向けて、検討を進めている。この路線については、コミュニティとしての位置づけとは別の、路線バスとして導入を考えている。しかし、この路線、本当に必要なのだろうか。

 スケジュールはこうだ。平成24年度中に調査・検討を行う。具体的には、コンサルタントに委託し、既存調査の分析や区民ニーズの把握を実施する。平成25年度からは、実証運行に向けた社会実験を予定している。期待される効果は、既存バス路線につながる回遊性などの向上が挙げられている。

 

併せて、実証実験において新規路線の開設の見込みがついた段階で、「鷺沼駅から区内北西部(聖マリアンナ医科大学前)方面へのバス路線について、社会実験の実施に向けた取組みを開始する」としている。確かに、鷺沼駅から北西部(聖マリアンナ医大)に向けた路線はない。この新規路線を望む声は多い。

 

区内の多くのバス路線の基点は、駅にある。その回遊性を高めようとする区の考えも理解する。しかし、既に、鷺沼駅、宮前平駅間には、電車が通っているではないか。優先される新規路線は他にもあるはずだ。コミュニティバスとして導入の検討がある、白幡台地区と有馬・東有馬地区である。こちらの検討を急ぐべきではないだろうか。まず、区の進める新たな実証実験の結果を待ちたい。

 

防災力を高めよう

平成249月、第二期修正が加わった「宮前区地域防災計画」が公表されています。第1章から5章まで、予防・対策・生活の安定などの視点により、まとめられています。地域防災拠点の場所、給水拠点の位置など、防災に対する市の取組みが分かります。

 

 いざ、自分の身に自然災害が降りかかって来た時、どのように行動するべきなのか。必要な情報を事前に頭へ入れておく必要はあります。この計画を読んでおけば、迅速な行動に役立ちます。是非、読まれておくことをお勧めします。

リノベーションのすすめ

IMG_1157_copy.jpg大学院に在籍中、リノベーションに関する論文を読んだことがあった。読めば、ヨーロッパに見られるように、公共建築物を大切によみがえらせ、財政負担の軽減を図る必要性を説いていた。その、典型的な成功事例が近くにあった。小学校の跡地を有効活用した「日本映画大学」である。川崎市は「映像のまち・かわさき」を謳った、まちづくりを推進している。

 

麻生区白山小学校の周辺は子どもの数が減り、隣接地との統合となった。旧白山小学校校舎に対し市は、市有財産の有効活用を図るべく検討に入り、公募によって跡地活用の事業提案を募り、結果、日本映画大学に決定した。12810万円で校舎を売却し、土地を賃料1734万円(年額)で33年間の貸与とした。市は高額の収益を得て、大学側は新築より安く設置が可能となる、ウインウインの関係が成立した。

 

IMG_1143_copy.jpg大学は、校舎の改修に5億円を投じてリノベーション。原型をとどめつつも、かつて学んだ小学校の校舎とは思えない程、デザイン性あふれるモダンで綺麗な建築物に姿を変えていた。市との協定も結ばれ、施設や校庭等を、災害時の避難所とする他、地域開放もする。地域への貢献も忘れてはいなかった。

 

 川崎市の財政が厳しい状況を、どう乗り越えて行くかが問われている。公共建築物の耐用年数の限界をむかえる建築物が増えていると同時に、地域の状況変化もあろう。多額の予算が伴う公共建築物の解体、新築、売却の選択の前に、リノベーションの可能性を探ることも悪くない。財政負担の軽減以上に、川崎の文化・芸術を育てることへのメリットは、はかり知れない効果となるからだ。

しんゆりとアート

 平成19年に開設され5周年をむかえた、「川崎市アートセンター」を視察しました。新百合ケ丘駅から至近の距離にあり、前のストリートは、オープンカフェや、しゃれた店が並ぶなど、おちついた雰囲気です。さて、アートセンターとは一体?

 

 ここにはスクリーンがあり、映画を上映していました。ワーナーなどで観られる娯楽性のある映画というよりは、社会的にメッセージ性のある映画が選ばれているようです。

 

IMG_1145.JPG アルテリオ小劇場では、JAZZの演奏や演劇など楽しめるといいます。チラシには「しんゆりがJAZZの街に!」と題した、クリスマス公演の案内が置かれていました。興味を誘います。

 

 同様の施設が、我が町にもあったら!と思えるくらい、内容が充実していました。芸術・文化振興のために出来たこの施設、川崎のイメージも変えようとしています。これからに期待です。今度は、仕事でなく、音楽でも聴きに行きたいところ。皆さんも利用されて見てはいかがでしょうか。

区議団で討議

 宮前区選出議員9人で構成する「宮前市政研究会」の2回目の会合が開かれました。議題は「平成25年度予算に対する区議団要望」についてです。議論の内容は、区政課題を緊急・重要要望事項に分けて、約20項目にまとめます。

 

 例えば、児童虐待防止条例が平成254月に施行されます。背景に児童虐待の相談・通告件数が増加する、厳しい状況が続いています。それに伴い、昨年度、重要要望事項の9番目に位置づけられていたものを、緊急要望事項の上位に位置づけるべきだと・・・、といった議論です。

 

 私から新たに「地震に対する防災力向上に向けた取組の強化」を項目に追加する提案をしました。「宮前区地域防災計画」の改訂が9月に示されたばかりです。平成25年度予算には、備蓄の増や、耐震の強化、避難所の環境整備の対応が求められます。

 

 区議団による要望書は、最終的にまとめられたものを後日、直接、市長に手渡します。その後、要望に対する行政の回答が、議員側に戻ってきます。正式な要望書と回答を、改めて報告します。

市民員会において、公立保育所の整備計画の報告がありました。私は「2011宮前ガバナンス」(石田公約集)で、待機児童の解消を目指した、認可保育所の整備拡充を推進していくと、お約束していました。市の計画は次の通りです。

 

 公立保育所の増設は進んでいます。新たな開設による平成2541日の認可保育園の定員増は、1375名となります。その他にも、平成24年5・8月に150名の増、既存施設の定員変更により40名の増と、合計1565名の増となります。第2期川崎市保育基本計画による定員増1435名を、超えることになります。

 

 宮前区内では、平成2541日開設予定として、(仮称)土橋4丁目地内保育所(240名)、(仮称)ティンクルくぬぎ坂保育園(60名)、(仮称)有馬川はなみづき保育園(60名)の予定です。

 

 引き続き、待機児童の解消を目指し、保育所の整備拡充を推進し状況報告して参ります。