備える耐震

家庭での地震に対する「リスクマネージメント」が問われている。その理由として、首都直下型地震の切迫性や南海トラフによる巨大地震の発生など新たな脅威を指摘する声があるからだ。そこで、命を守る対策の1つとして、木造家屋の耐震に備える必要がある。まずは自宅の耐震を知ることから始めたい。

 

川崎市では、「災害に強い街づくりに向けた予算」として、川崎市の平成24年度予算で16313282000円を計上した。その内「新たな災害に備える」ための予算として、13688193000円を計上している。

 

その中でも、「木造住宅耐震診断士派遣制度」を有効に活用したい。この制度は一定の条件のもと、無料で耐震診断士の派遣を受け、家の強度を知ることが出来る。平成23年度予算額では、27046000円を計上し、344件の実績だった。平成24年度予算では2856万に増額し施策を強化した。

 

 また、一定の条件をクリアーすれば、「耐震改修助成制度」によって、家の補強に対して助成を受けることが出来る。平成23年度予算では11440万円に計上し、90件(申請件数)の実績だった。平成24年度では13975万円に増額し、施策を強化している。耐震改修工事のため、精密診断補強計画をたてることになると、数十万を要することになる。

 

震度6強に耐えられるか診断し、構造評定で1.0未満となると、改修に向けた決断を迫られることになる。精密診断、補助計画、工事監理、補強工事の全てを行った場合の平均予算額は240万円にも及ぶ。一般世帯の場合、その約半分程度が市の助成となる。しかし、平成17年度から始まった制度だが、派遣件数は2600件を超えているにもかからず、改修まで至ったケースは、全体の10%程度に留まっている。

 

 市は、まだ制度を知らない市民に、広報を徹底すべきである。また、耐震補強の必要があると判定されたにもかかわらず、耐震改修を決断するに至った者の割合が、あまりにも低すぎる。市の予算枠の拡充を進めるとともに、個人の経済的負担の軽減に努めてほしい。