管子に学ぶ

中国春秋時代に管子という政治家(思想家)がいた。国家を維持するために必要な4つの徳目として「礼儀廉恥」を唱えた。4つの大綱の1つでも欠ければ国は傾くと指摘する。

 

礼は、敬うこと。儀(義)は、道徳のこと。廉恥(れんち)は、潔く恥を知ることの意である。つまり、他者に儀礼を欠くことなく、清く正しく無欲で恥を知ることを諌言している。

 

これが国家ともなれば「四維」としての意味を明瞭にする。相手に礼を持たない国家は独走し、道徳心に欠ければ孤立する。廉恥のない国家は危機に晒され、やがて倒れ破滅に向かう。管子の言う通り、1つでも欠いてはならない。

 

 2000年以上も前に生きた政治家の言葉が、今に通用すること自体、驚くべきことである。現在の国家間の争いを見ても、歴然とした事実である。国家を構成するのは人である。国民に四維の精神が宿ってこそ、国家の安泰も続くのだろう。