議員条例

 地方議会の議員による政策立案能力が、これまで以上に試されている。その理由の1つとして、議会は条例を策定する立法機能を有しているからである。議員条例の議論が活発化した背景には、地方分権一括法による、条例制定権の拡大による。議員提案のハードルが下がり、少人数でも提案しやすくなっている。議員の意識改革も加わり、議員提案による条例制定を、各地でみるようになった。

 

全国市議会市長会の調査によると平成22年の1年間に、議員提案された新規条例案は809市ある内で316件(177市)だった。これを2種類に分けた場合、政策的条例案と政策的でない条例案に大別できる。提案件数は前者が156件(88市)、後者が160件(101市)とほぼ同数に近かった。1市あたりにすると、年間平均1.8件となり、2件に満たないことが分かる。

 

では、19政令指定都市だけみるとどうだろうか。新規条例案が32件(11市)の提案であった。その内、政策的条例案は26件(10市)、政策的でない条例案については、6件(3市)となっている。これを1市あたりの平均にすると年間2.9件で、こちらは3件に満たない件数となっている。

 

 議会は、3ない議会と揶揄されることがある。これまで積極的に条例を提案してこなかった経緯からのようだ。上記のデータが示すように、議員による条例の提案の実態は、確かに少ない。地域の課題を把握する議員により問題を提起し、解決のための政策条例案を、積極的に提案する必要はある。私も反省し、研究を進めたい。