2010年11月アーカイブ

子宮頸がん対策

DSC05560.JPG 夏の参議院議員選挙において初当選された、三原じゅん子先生が川崎市役所(自民党控室)へ挨拶にみえられました。三原先生は、自らが子宮頸がんを患った経験から、予防の啓発活動や子宮頸がん対策の拡充を求める活動を続けられてきました。そうした三原先生のメッセージにより、子宮頸がんの予防に対する国民の関心が高まり、新たな動きをみせています。

  

国においては、「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金」(仮称)が事業決定となりました。概要は、子宮頸がん予防(HPV)ワクチンやビブ(インフルエンザ菌b型)ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの3種類を公費助成の対象となります。対象者は、中学1年生から高校1年生までの4学年で、民間保険への加入等が要件となっています。

 

交付金のスキームは、自治体が設置する基金に国が交付金を出すことになります。川崎市では、費用負担に関わる予算額の25億円を国と川崎市が折半し、平成23年度からスタートさせる予定です。国による交付金は、平成23年度末までとしており、平成24年度以降は「予防接種法」を改正して、定期予防接種から認定予防接種に切りかえることを目指しています。

 

 私はこれまで、費用負担は国の責務だと考えてきました。その理由は、自治体の財政規模や状況によってサービス内容が異なっていたからです。この特例措置によって、地域の格差がなくなり誰もが等しく、予防接種を受けることが可能となります。子宮頸がんの患者数は8474人(年間)にも及びます。がんは未然に防ぐことが重要です。これからも、三原先生と連携をさせて頂きながら、施策の拡充を図ってまいります。

宮前区選出議員団は市長室に出向き、阿部孝夫市長に対して平成23年度予算の要望を行いました。これは、行政によって予算編成作業が進められているタイミングを見計らって、毎年行っていることです。目的は、宮前区内にある地域課題を解決するために、必要な予算を求めるためです。要望内容は、114日に宮前区役所で開催された宮前市政研究会において、議員同志が議論をして決定しました。内容を、下記の通りご報告します。

 

Ⅰ 緊急要望事項

1 保育待機児童の解消及び子育て支援体制の推進

2 川崎縦貫高速鉄道の早期着工に向けた環境整備など交通不便地域の解消を含めた区内における総合的な交通体系の構築

3 地域における安全・安心なまちづくりに向けた取組の促進

4 区内の市バス路線の見直し及び公共機関・医療機関を結ぶ循環バス路線

  の整備・拡充並びに交通不便地域の解消をめざした地域公共交通として

  のコミュニティ交通の整備

5 業務・商業の地域生活拠点としての宮前平駅・鷺沼駅周辺のまちづくり

  の促進(特にインフラ・ハード面の整備)並びに区内3駅周辺及び公共

  施設等のバリアフリー化の促進

6 宮前区内の都市計画道路(向ヶ丘遊園駅菅生線等)及び幹線道路(主要

  地方道横浜生田線・市道宮前6号線等)の整備促進並びに交差点の混雑

  緩和及び安全対策

7 ゲリラ豪雨等風水害対策及び傾斜地崩壊等の土砂災害防止に向けた対策

  の推進

8 宮前平駅周辺の矢上川をはじめとする早急な冠水対策の推進

9 老朽化に伴う北部市場内施設整備並びに食品衛生の監視及び検査体制の

  拡充

10 高齢者の相談支援体制の強化を中心とする高齢者福祉施策の充実

 

Ⅱ 重要要望事項

1 行政区の権限拡大とそれに伴う予算措置

2 区役所駐車場の混雑解消に向けた駐車場の増設及び周辺駐車場活用の検

  討

3 緑地の保全及び大公園の用地確保並びにグランドカバー施行による緑化

  の推進

4 区内河川の親水化及び環境教育・学習での活用促進並びに維持水量の確

  保

5 こども文化センター、わくわくプラザ及び子育て支援センターの施設整

  備、安全確保に向けた再点検、運営面の点検及び利用内容の拡充

6 地域医療の充実に向けた産科及び小児医療体制の強化

7 地域コミュニティの構築及び市民活動支援のための拠点整備並びに学校

  を含めた既存施設の有効活用

8 区内商店街の活性化及び商業振興策の促進

 9 いじめ問題及び幼児・児童虐待問題に対応するこども相談の推進・強化

 

DSC05554.JPG川崎社会保険病院(川崎区)に行き、病院関係者と川崎市に対して要望を行ったのは、今年の726日の暑い日のことでした。その時の要望内容は、「川崎社会保険病院の一般病床の一部を療養病床へ転換するとともに療養病床(医療型)確保に向けた施策の強化と補助要綱の協議を求める要望」でした。

 

あれから4カ月が経った今日、「川崎社会保険病院療養病床運営開始に伴う内覧会」が開催され、再び病室を見学し医師の先生方と意見交換を行ってきました。今回の内覧会は、夏に行った要望が、受け入れられた形です。7階にあった一般病床を療養病床に、50床転換することになりました。内覧会は、121日の運営開始に先だって、関係者にお披露目です。

 

病室内に入るとベッドの横には、人工呼吸器が置かれ、高度な医療を提供する所だと見てとれます。療養型医療病棟とは、「急性期医療により、病状が安定してきているが医療行為が常時必要なため、在宅・介護施設などでは療養が困難な患者を対象とした療養病棟」(川崎社会保険病院資料)を意味します。

 

 川崎市の施策としてこれから必要なことは、療養病床を確実に増床していくための予算措置です。今回の転換は、病院側が費用負担して行って頂いたことです。川崎市が進める療養病床の増床に向けた施策が、救急医療体制の強化となり、多くの人命を救うことにつながります。今後の川崎市の積極的な施策の展開に期待をします。

メガソーラー発電計画

DSC05545.JPG  平2010月に、川崎市と東京電力株式会社が、国内最大級となる太陽光発電所の建設に向けて、共同で進めていくことについて合意していました。あれから2年が経過し、現在の状況を見に計画地を視察してきました。発電所計画は、川崎区の浮島と扇島の2箇所で、合計2万Kwの新たな太陽光発電を生み出すことになります。

 

写真は、現在の浮島発電所(仮称)の整備途中の模様を撮ったものです。四角いコンクリートが規則的に並べられ、その上に太陽光パネルを載せています。写真奥がパネル設置済み箇所で、手前が未設置の様子です。設置工事は全体の半分くらいまで進んでいるといいます。市有地である浮島の計画地の面積が約11ヘクタールで、その内10ヘクタールに38000枚のパネルを並べるというから驚きです。平成238月に浮島発電所が、12月に扇島発電所がオープンする予定です。

 川崎市は、市有地を東京電力に無償で提供しています。メリットとなるのは、収益があることです。発電所が設置されることにより、固定資産税が新たに入ります。また、発電の価値に対する半分を川崎市が取るという契約から、年間2000万円弱の収益が見込まれています。また、CO削減効果が8900トン、一般家庭に置き換えますと1700軒分相当のCOを削減することに匹敵します。

 国際化が進む羽田空港を離発着する飛行機からの眺めには、敷き詰められたパネルがまず目に入るでしょう。「カーボン・チャレンジ川崎市エコ戦略」として、地球温暖化対策を進める、都市のPR効果は絶大です。「環境都市川崎」の、いや、日本を代表するランド・マークとして、その存在をアピールしていくことになるでしょう。

健康福祉委員会が開催され、「認知症高齢者の生活支援」についての報告があった。高齢化の進展に伴い、認知症を患う高齢者が増えている。認知症高齢者の日常生活自立度に基づく推計値によると、川崎市内の認知症患者数は、2010年で約16700人、2015年になると21500人に増加すると推測している。これから、公助の果たす役割が求められている。

 認知症の症状は、脳の細胞が死に働きが悪くなるために、記憶障害や見当識障害などの症状に現れる。うつ状態や幻覚、妄想、徘徊などの行動をとることもあり、家族のみならず連携した対応が必要となる。その原因ともなる疾患は、100種類以上もあるといわれており、治癒するものと治癒しないものがあり、対応を難しくする要因となっている。

 川崎市では、認知症の徘徊対策として「徘徊高齢者SOSネットワーク」事業を行っている。この事業は、徘徊する恐れのある高齢者を事前に登録し、各区役所や包括支援センター、警察などの関係機関をネットワーク化し早期発見を目指している。また、今年度、「認知症コールセンター」を設置し、認知症高齢者や家族を対象に電話での相談を受け付けている。相談件数はこの半年間で320件を超えている。

 相談体制としては、各区の社会福祉協議会が運営している「あんしんセンター」で対応している。ここでは、高齢の方や障害のある方の権利擁護に関する相談などを受け付けている。しかし、相談機関があることを知っている市民は多くはない。以上の点からも施策の普及啓発と併せ、今年度実施している「高齢者実態調査」の結果を踏まえたうえで、認知症高齢者のいる家族への、充実した生活支援が必要である。

http://www.city.kawasaki.jp/35/35kosui/35kosui/ninti-callcenter/callcenter-top.html

日本の文化を世界へ!

haneda.JPG

 羽田空港国際線ターミナルがオープンした。一歩足を踏み入れると、天井をめぐる建物の造りに圧倒される。注目は4階にある「江戸小路」である。ちょっとした江戸の城下町をイメージしたテーマパークである。ここには、大小のショップが33店舗、のきを連ねている。和食を中心とした飲食店をはじめ、小物屋さんからリフレッシュサロンまで、充実したラインナップだ。

羽田空港国際線ターミナルを使えば、欧米やハワイ、タイ・バンコク、シンガポールなど、海外旅行にはとっても便利になる。なんといってもこの空港の強みは、国内線とつながっていること。外国人の方も日本の玄関口ともいうべき空港内で、日本の文化にふれられる良い機会となる。飛行機を利用しなくても、食事やショッピングでも、十分楽しめるつくりになっていた。

始球式

野球.JPG.jpg 宮前区少年野球連盟が主催の「宮前区少年野球大会新人戦」が開会しました。大会では、区内の20チームが優勝を競います。試合に先立っての始球式。私が、ピッチャーの役を務めることになりました。

 始球式といえば、プロ野球でよく観る、アイドルがでてきて、とんでもない方向に投げてしまい、会場を沸かせる場面。まさか自分が・・・。

 ちょっとは運動神経に自信がある私でしたが、やってしまいました。キャッチャーのミットにビシッ!と投げたいところでしたが、恥ずかしながら、大きく左にそれてワンバンでミットへ。プレッシャーの弱さをおみせする次第・・・。選手のみなさん1128日(日)の決勝戦まで失敗をおそれず、優勝を目指して頑張って下さい。健闘をお祈りします。

みかんの季節

DSC05526.JPG

 久しぶりのオフとなった今日、家族で「みかん狩り」に出かけました。場所はみかんの産地、根府川。車で1時間20分程の所にあります。みかん狩りのシーズンともあり、観光バスが入れ替わりたち替わり、人で賑わっていました。入場料400円さえ払えば、そこはみかん食べ放題です。スーパーで買うみかんの値段が高いことを知っている私は、ここぞとばかり、腹一杯に頂きました。土産は、あふれんばかりにみかんを詰め込んだネット(1500円)です。

 みかんは、β・クリプトキサンチンが、発がん抑制に大きな効果を発揮することがわかっています。含まれているβ・カロチンが、がん細胞の分裂や増殖を防ぐことは広く知られているところです。是非この週末、健康にもよいみかんを食べに、伊豆方面に向かってはいかがでしょうか。甘酸っぱい思い出になることまちがいなし。丘から眺める温州みかんと海の景色は、なかなかいいものですよ。

訪問理美容サービス

昨日の健康福祉委員会において、陳情205号「介護保険で訪問カット等ができるよう求めることについての陳情」を審査した。陳情の要旨は、介護保険で訪問理美容サービスができるように、意見書をあげてほしいといった内容である。介護度が高い高齢者の方の理美容サービスの負担は、どこに求めるのか、現状から問題を探ることにする。

川崎市には、訪問理美容サービス事業が、昭和53年から行われている。事業の目的は、要介護高齢者の自宅に訪問し理美容サービスを実施することにより、清潔で快適な在宅生活を送れるよう支援し、福祉の向上を図ることにある。この制度は、利用料金が1件あたり5100円に対して、利用者負担が2000円、川崎市の負担が3100円を拠出し、年間6回まで利用することが可能である。

確かに陳情者の提案のように、介護保険で適用すれば自治体格差はある程度解消されることになる。かつて、国の国庫補助金(平成12年から平成16年まで)として支援措置があったこともあった。しかし現在は、三位一体の改革に伴い一般財源化となっているため、川崎市の単独事業としてサービスを行っている。

審査の結果「継続」となった。理由は、介護保険での適用は、現行法上、難しいと考えられる点と、介護と髪のカットが結びつくのかという議論が必要であるためである。平成123月の予算議会において、訪問理美容サービス事業をとりあげ、サービス回数を増やすことを提案した。その結果、年間4回から6回へ増やすことに成功した。引き続き、高齢者福祉の充実を目指した議論を行っていきたい。

健康福祉委員会が開催されました。議題は、陳情163号「保険でより良い歯科医療の実現を求める意見書を国に提出することを求める陳情」の審査です。陳情者の願意のポンイントは、2つあります。患者窓口負担を減らしてほしいということと、国の負担を増やしてほしいということです。

窓口負担割合は、平成204月からの後期高齢者医療制度施行後、国保の場合70歳から74歳までは、1割負担(現役並みは3割)です。義務教育就学前は2割負担となり、それ以外は3割負担となっています。窓口負担を軽減することは、公費などの負担増を意味します。再分配機能をどこに置くかは、議論が必要なところです。

医療費における国の負担については、概ね2年に1度行われる診療報酬の改定によって決まります。平成22年度の歯科については、+2.09%600億円)となっています。主な改定として、在宅歯科医療の推進や障害者歯科医療の充実など、患者視点に立った歯科医療に表れています。

審査の結果、国の医療制度改革の議論を注視する必要があることや、今年度においてはプラス改定となり、一定の状況変化があったことで「継続」となりました。医療負担のあり方は、歯科医療に限らず、国民皆保険を維持するためにはどうあるべきかをまず考えるべきです。「支えあい」の心を置き去りにして、議論をしてはいけないのです。

日本の教育に足りないこと

日本の教育に欠けているものは何か。それは、言語技術を教えることである。必要な言語技術とは、修辞学や論理学、弁証法を総じてもって生まれた、テクニックを意味する。個人に求められるスキルというのは、より優れたパラグラフ・ライティングであり、自分の力で組みたてたロジックを文章で表現することにある。

 

必要な言語技術(Language Arts)を習得するには、基礎となる「型」を身につけなくてはならない。「型」とうのは、本の読み方や説明の方法論、ディスカッションの方法論など様々で、基本となるプロセスを意味している。つまり、小さいうちから言語技術の基礎を、身につけるための教育が望ましいのである。

 

次に、クリティカル・シンキング(批判的思考・分析的思考)を常に持ち続ける訓練が必要となる。情報を入手してエビデンスを発見し、自分なりに解釈・分析する。そこから、正しいロジックを導き出すためのプロセスを、常に頭のなかで意識をしておかなくてはならない。この能力が、今の子ども達には、欠けているというのだ。

 

日本教育には、結論をだすための思考的プロセスを、教える教育が必要である。私の知る限りでは、言語技術の教育と訓練を大学院で行っている。プレゼンテーション論では、エビデンスのための情報収集能力がまず問われる。加えて、それを分析し相手に伝えるプレゼンテーション能力で表現する練習を行う。こうした訓練を大学院で学ぶのでは、もう遅いのである。

 

 日本の文化は、ある意味「型」の文化であるといえる。いい方を変えれば、お家芸なのだ。言語技術を教育に、低学年から導入する必要があるというのは、その「型」が知識を習得するうえで基礎となり、知性を育てていくからである。既に欧米などのほとんどの国では、言語教育がグローバルスタンダードとなり、優秀な人材をどんどん排出しているのだ。

果たせなかった夢

 たまたまつけたテレビで、高校サッカーの決勝戦がやっていました。あれ!?どこかでみた高校。なんと、母校ではないか!しかも、所属していたチームが決勝に出ていたのです。その時、高校サッカー選手権大会東京都大会Aブロックの決勝が、西が丘サッカー場で行われていました。決勝戦は、帝京高校 対 駒澤大学高等学校のゲームです。4連覇を目指す帝京高校の優位は、変りませんでした。ところが、堅守の駒大高校に、奇跡は起きたのです。

 

後半戦、0対0のまま、もう終了間近、帝京高校のディフェンスが自陣のペナルティーエリア内で、相手選手の足を引っ掛けてPKとなったのです。冷静にボールを置き、おちついて蹴る駒大高校のキャプテン。ゴール!接戦の末、駒大高校が10で競り勝ち、初優勝を飾りました。創部45年以来の快挙です。優勝経験のない駒大高校が、これまで勝つことのできなかった帝京高校に勝ったのです。

  

私が駒大高校サッカー部で、ボールを追いかけていたのは、今から21年も前のことです。あの頃の目標は、東京A代表になって全国大会に出場することでした。勝つためには、練習の時間を惜しみませんでした。宮前平駅から始発に乗り、まだ日も昇らない暗い早朝の校庭で練習をこなし、通常の授業を終えた後は、砧の駒大グランドで日没まで練習する日々でした。365日休むことなく練習にあけくれ、サッカー以外には目もくれませんでした。しかし、どんなに練習を重ねても、選手権の決勝では、いつも涙を飲んできました。強敵の帝京高校、暁星高校、堀越学園の壁を、超えることができなかったのです。

 

あれから21年、今では、あの時の悔しい想いと過酷な練習が、私の人間形成の柱となり、今の負けず嫌いの自分ができたのだと、過去を振り返ります。厳しい勝負の結果を受け止めることができたから、今の頑張れる自分がいるのです。あの時、一緒にボールを追いかけていたサッカーの盟友は、プロサッカー選手をやめ、J1リーグの監督を務めている者もいます。また、第一線の社会人として、自分の人生と向きあっている者もいます。

 

あの時、我々の果たせなかった夢をやっと今日、後輩達が実現してくれました。我々がみることができなかった夢を、これからもっとみせてもらいたい。そして、東京A代表として、胸をはって、自分達のサッカーを楽しんでほしい。「駒大高校サッカー部、優勝おめでとう!」全国大会、応援に行かせて頂きます。

待機児童の解消に向けて

(仮称)新・保育基本計画素案が議会に示された。今後、年度末にかけて計画の策定作業が進められる。保育所の定員枠の拡充は、待ったなしの緊急課題である。新計画は、平成23年度から平成27年度までの5カ年計画となっている。計画にある認可保育所の定員増は、平成23年から平成25年までの3年間で4000人としている点がポイントとなる。

 近年、川崎市内の保育所のニーズが高まっている要因は、人口増加によるものだけではない。子育てを取り巻く状況の変化としてある、共働き世帯が増加していることが影響している。事実、夫婦とも就労している割合は、平成7年の40.3%から平成17年になると41.6%に上昇している。このデータは平成17年の国勢調査によるものなので、集計が済んでいない今年10月の最新データであれば、その差が拡大することは必至だ。

 一方、宮前区選出議員団から構成する宮前市政研究会でも、区課題を解決するための予算要望のなかで、この問題を取り上げている。予算要望の緊急要望事項のトップに「保育待機児童の解消及び子育て支援体制の推進」を掲げた。議会側も、優先順位の高い課題として、予算措置を求めているのである。

 宮前区役所の取組み状況の報告では、「区内の保育所の整備として平成20年に鷺沼駅周辺地区に定員45人の小規模認可保育所を1箇所整備し、平成214月には宮前平駅周辺地区に、認可外保育施設の『かわさき保育室』を整備した。平成22年度では、宮崎台駅周辺地区(馬絹)に、定員30人の小規模認可保育所1箇所の整備を行っている」と話す。

 私のところにも、保育所に関する市民相談が後を絶たない。待機児童を抱える両親に対して、定員の増員計画を説明しても、理解をして頂くことにはならない。何故なら、今すぐにでも保育所に子どもを預けなくてはならない、事情を持っているからである。行政には、4000人と掲げた以上、事業化に向け、平成23年度予算についても、充実した予算措置をお願いしたい。

秋の武相荘

DSC05513.JPG 宮前区の自宅から車で20分のところに、旧白洲邸武相荘がある。ここは、私が尊敬する白洲次郎・正子氏の自宅であったところだ。今では、有料で一般公開し、多くの人が訪れている。私は、仕事のあい間に時折、一人で訪れるお気に入りの場所である。ここに来ると何故だか、時計の針が止まったような感覚となる。時間に追われる日が続くような人には、うってつけの場所といえる。

 

DSC05502.JPG門をくぐると、昭和初期の時代へとタイムスリップしたかのような雰囲気に囲まれる。茅葺き屋根の建物内に入ると、すぐにおしゃれなリビングが現れる。外観のイメージと和洋折衷の調度品とのギャップにまず驚かされる。奥座敷には、白洲正子氏の趣味であった骨董品が、惜しげも無く並べられている。なんとあの、魯山人の作品も置かれている。白洲氏のセンスの良さが、すぐに見て取れる。

 

DSC05512.JPG白洲次郎氏は、戦中、戦後と、日本の動乱期の中心にいた人物である。その時代にこの武相荘で、日本の将来をどう想像していたのだろうか。プリンシプル(原則)を重んじていた白州氏が、今の外交の混乱をみたら、決して黙ってはいないだろう。

そんな想いを巡らせながら、枯葉舞う庭を歩くもよし。お茶処で食事を楽しむもよし。心をリセットしたい人を、心地よく迎えてくれる、それが武相荘なのだ。落ち葉に囲まれた秋の白洲邸、日本のなつかしい風景をみに、是非、行かれてはいかがだろうか。 http://www.buaiso.com/

 TTPとは、今話題の環太平洋経済連携協定の略(TPP)ではない。TTPとは「徹底的にパクる」の略だそうだ。まだある。TKPは「ちょっと変えてパクる」の略。OKPは「思いっきり変えてパクる」の略なのだ。ふざけているようだが、成功者の声を集めた『プレジデント名言録200選』(プレジデント社・秋庭道博著)で紹介されているのだ。この三段論法は、人生の生き方として正論だと思っている。事実、私がそうしてきたからだ。

 

参議院議員秘書時代、国会議員のカバン持ちをしながら、師匠の動きを観察し、勝負の厳しさを学んできた。その時、頭に浮かんだのが、師匠をまねて同じように動けば、自分も同じ立場になれるのではないかと、自立を考えたのだ。師匠の演説(話術)の流れを学び、人の接し方と政治の心得を習得した。今ではその経験の上に、自分の個性を加えようと工夫もしている。

 

 パクるときくと、盗むようなイメージだが、良いことはどんどんパクっていい。自分の成長のためには、立派な人を手本にするべきなのだ。その道を究めようとするなら、第一線で活躍している人のそばで学ぶことが、目標を達成する近道だといえるのではないか。「守破離」の考え方は、物事を習得する上で必要な三段階として今も昔も変わらず、人生を成功に導いているのではないでしょうか。

区役所機能の強化

 先日、宮前区選出議員団で構成した、宮前市政研究会が開催された。議題は、平成23年度予算に対する、区議団としての予算要望についてである。宮前区内における課題を解決するために、必要な項目の整理を行ったのである。そのなかに位置づけたのは、「行政区の権限拡大とそれに伴う予算措置」を重要要望事項のトップにした。

 

市の報告では、区役所の機能強化や区長の権限強化のため、協働推進事業費を改めるとの報告があった。この事業費はここ数年、5500万円(40事業)を計上してきた。加えて新たな予算措置として、全区を対象にした「地域課題対応事業」の1億4000万を提案するというのである。そこには、区長の予算要求権を付与すること意味している。

 

川崎市にある7区には、それぞれ違った歴史や文化、人口、風土と、それぞれ地域の特性や課題が異なっている。それなのに、区の裁量で執行できる予算が、全区で同じということはおかしいと考える。地域の課題を解決し、しかも魅力を引きだすには、それなりのインセンティブを働かせる、財政措置が必要であることはいうまでもない。

 

私はかねてから協働推進事業費を、地域の実情にあわせたうえで増額するべきであることを主張してきた。区長の予算要求権も一定の条件で付与するべきであると訴えてきた。その方向で進んでいくということは、歓迎すべきことである。地域の課題を迅速に解決するためには、区長の権限の強化や、区の予算を増やすことが求められる。市役所中心の体制は、改めていくべきだと考えている。今後、新たに提案予定の「地域課題対応事業」の議論に注目したい。

社説論

img131.jpg 読書の秋となりました。1027日(水)から119()までは、読書週間です。さて、皆さんは、どんな本を読んでいるでしょうか。ここで、気になる一冊をご紹介します。本屋に行くとつい、脇に抱える程の本を買い込んでしまう私ですが、再び、良き友といえるような、素晴らしい本に出逢うことができました。その本の題名は、『日本一心を揺るがす新聞の社説』(こま書房新書)水谷もりひと著です。

 

著者は「みやざき中央新聞社」に勤め、1000本近い社説を書きあげました。そのなかから、珠玉の41編を厳選し、紹介しています。この一冊には、朝日・読売・毎日新聞などの社説では読むことのできない、心を揺さぶる文章の極みが隠されています。

 

著者は、まえがきでこう述べています。RT『情報は情感を刺激するものだから「情報」なのである。情報を得て、何を知ったかではなく、何を感じたかが大事なのだ。だから情報は、報道の「報」の上に「情け」を乗せている。「情け」とは人間味のある心、思いやり。優しさ。情報は常に「情け」を乗せて発進したい。』と語っています。

 

 共感!まったくその通りであります。今の情報は、あまりにもストレートすぎて、温かみに欠いているように感じることがあります。「情」を欠いた文章は、マジョリティを創りだし、独り歩きして偏った世論を形成していきます。マスコミ関係者に限らず、多くの人にこの本を、手に取って頂くことを推奨します。涙なくしては読むことのできない、社説に出逢うこと間違いなしです。

交流

IMG_0683.JPG文化の日の今日、素晴らしい秋晴れのなか、町内会主催の「歩け歩け大会」に参加しました。毎年開かれているこの行事ですが、参加者は100名を超えています。コースは、馬絹地区会館をスタートし、馬絹神社で宮司様にお祓いを受け、市民プラザを経由して、ゴールの宮崎中学校まで歩きます。

IMG_0684.JPG道中、一緒に歩いた方々から、多岐にわたる市民意見を伺うことができました。内容は、市営地下鉄、近くの公園の問題、公共施設の改修など様々です。私にとっては、大変に有意義な時間となりました。ゴール地点の宮崎中学校では、PTAや中学生を中心にした「あったか祭り」が開催されていました。そこでは、学校の先生方によるバンドの演奏や、多くの模擬店で賑わっていました。

 

  IMG_0687.JPG話は変りますが、そのなかに日本赤十字社の展示があり、地雷の恐ろしさを子供たちに紹介していました。担当者の話によると「戦地には、携帯電話の形をした地雷まであり、子ども達の興味をひき、それを拾って開けた時に、爆発するものがある」というのです。人間の考えることって、本当に恐ろしいですね。子ども達に、世界にはこうした現状があるということを知らせる、良い機会となっていました。

 昨夜の佐藤正久参議院議員(髭の隊長)の講演会で聴いた、興味深かったお話を私のメモからご紹介します。国防の現状を知って頂きたく、お話の概要を私なりの解釈で簡単にまとめました。

 

佐藤先生曰く

~政局~

「政治家とは、人々の幸せのために人一倍汗をかかなくてはならない。幸せとは何か、国民の安全を守り生活の安定を図ることにより、心を安らかさせること。当時の鳩山首相の施政方針演説の出だしが、命を守りたい、だった。43分間の演説で命という言葉は24回もあった。しかし、国を守るという言葉は一切なかった。命を守りたいという表現では、国のリーダーとしては足りない。命を守りぬく、というのがリーダーなのだ。強い意志がリーダーには求められる。」

 

~普天間基地移設問題~

「沖縄の普天間基地移設問題。あてもなく国外だとか国内だといって迷走している。沖縄に駐留している海兵隊は、陸軍でも海軍でも空軍でもない。陸・海・空の要素を全部兼ね備えた部隊だ。それは、何時でもすぐ動ける、即応態勢が求められているからである。24時間365日、沖縄近くの海の上で、2200名の海兵隊が待機態勢をとっている。

海兵隊にはヘリコプター部隊が含まれる。その役割は、物資を運ぶことにある。それを、グアムの2400キロも離れた場所に移設するのは、あり得ない話である。実態を知らずに、国会で真剣に議論をしている。県外、国外どころの話ではなく、まったくもって論外だ。」

 

~事業仕分け~

「民主党の事業仕分けの影響が、自衛隊の現場でかなりでている。自衛官の募集の窓口となる「自衛隊募集相談員」に関係した予算は、これまでの10分の1以下になってしまった。また、現場では、予算の削減の影響により、船での3交代制が2交代制になり、休めなくなっている。戦闘機では、予算がないために部品が買えず、自衛官が部品を他機に交換するために、夜中に整備をすることがある。自衛隊の服も、日本の物は高いので、安い中国製で対応するべきだという議論があった。自衛官は、お金やコストではない。」

 

 ~石田論~

 民主党政権が誕生して、1年以上が過ぎた。民主党政権における内閣支持率が71%9月)から40%11月)に、急下降したとの報道があった。今の外交、防衛、事業仕分けなど混乱の度が深まる国政を、国民としてどう捉えればいいのであろうか。今回の講演を聴かせて頂き、改めて、自衛隊の存在意義と政治の果たす役割の重要性を感じる1時間の講演だった

演説

IMG_0678.JPG かつての宰相、三木武夫氏が「良い文章の書き方」を、作家の井上靖氏に尋ねたことがありました。井上氏はこう答えたそうです。一言、「いい文章を読むこと」だと。それでは同様に、いい演説をするにはどうしたらいいのでしょう。そうです、いい演説を聴くことなのです。私は職業柄、演説をします。人の演説を聴く機会も多くあります。そこで、今夜は「演説技法」について論じます。

先ほど、久しぶりに良い演説を聴く機会に恵まれました。「これでいいのか日本の防衛」と題した、佐藤正久先生(参議院議員)の講演です。佐藤先生は「髭の隊長」の愛称でも広く知られており、当時のイラクの先遣隊長(自衛隊)として、ご存知の方も多いことでしょう。佐藤先生の演説は、実に感動的でした。

演説には2種類あります。良い演説とそうでない演説です。それでは良い演説とは何でしょう。それは聴き手側からみて、時間の長短に関係なく、時間を感じさせない、あきない話です。加えて、聴いた後でも話の余韻が残り、印象深い言葉が一つでも残るものです。一方、そうでない演説は、話し方がいくら流暢でも、聴いていて退屈で、後に内容が一つも残らない話です。

 佐藤先生のお話は、1時間5分にも及ぶ長いものでした。スタートから終了まで、あっという間のように感じました。まるで、私が好きなJAZZの音楽を聴いているかのように。そうです、私は話にぐっと、引き込まれていたのです。その話力はどこから来るのでしょう。きっと、戦場における厳しくも過酷な、実体験に基づいた話だからこそ、自然に集中して聴けたのでしょう。

ある別の作家がいっていたことを思い出しました。いい文章とは何か。それは、「想像力をかきたててくれる文章」なのだと。佐藤先生の講演には、ある時から自らがイラクの戦地に立っているような錯覚さえ感じる内容もありました。だからこそ、あの時の言葉が心に印象として残っているのです。

 明日は、続編。講演の内容について、ご紹介します。