社説に学ぶ

『日本一心を揺るがす新聞の社説』(ごま書房新社)水谷もりひと著の第3弾を、本屋の並ぶ本棚で発見した。その時、過去の2冊に感動した記憶がよみがえり、迷うことなく手に取った。

 

 この本は著者(みやざき中央新聞編集長)と読者で厳選した、30編の感動的な社説を紹介している。題名にあるように「心を揺るがす」とだけあって、心を打つものがほとんどだ。

 

新聞の社説は「知」の宝庫といっていい。実に巧みなレトリックが隠され、時には、感動する実話や、偉人の言葉を引用したものまで、探究心をくすぐる。文章の醍醐味が短い文に集積し、読者をわくわくさせる。

 

社説に学びたい。文章の構成。人に伝えたいことを、シンプルに表現する技法。題材の選び方。新聞の社説もいいが、紹介したこの本に並ぶベストセレクションは、なおいい。夜の読書の時間が、感動で充実する。