「米百俵の精神」と防災

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  川崎市議会市民委員会で、新潟県長岡市の施設を視察した。視察先は「ながおか市民防災センター」である。この地域は平成16712日に新潟・中越豪雨、同年1023日に新潟・中越地震に見舞われ、甚大な被害を受けた。その教訓を活かした防災対策の裏には、先人の知恵が隠されていた。

 

 

  長岡市の歴史には、戊辰戦争によって困窮を極めていた時代があった。その時、支藩からの見舞いとして「米百俵」が贈られた。当時の近代教育の礎、小林虎三郎は、その百俵を資金として、新校舎の開校に全力を注いだ。

 

IMG_0506.JPG そんな小林氏の言葉を一つ紹介しよう。

「まちとは人が興すもの。まちづくりは、人づくりから始まる」。

 

 長岡の再興のため、人材教育に着目する点を、学びたい。

 

 米百俵の精神が息づく街には、施設整備にもひと工夫があった。それが、防災センターに併設された「こそだての駅 ぐんぐん」である。保育士を常駐させ、子育てルームを備えている。つまり、防災施設と教育の融合を図った、併設型施設となる。

 

 防災センターはいざという時にその機能と役割が求められる。しかし、平常時にはそのスペースは、備えの施設に他ならない。その施設を利用して、子どもと親の交流と、遊び場として利用する点は「長岡モデル」として参考にしたい。防災と教育が結ばれることによって、将来に起こりうる災害の備えに、効果を発揮するのだろう。