県と市の関係

橋下大阪市長の進める大阪都構想が注目を集めている。これに合わせるかのように他都市の地方議会でも、大都市制度の議論をスタートしている。今なぜ地方の形を変ようとする議論を盛んに行っているのだろうか。そこには二重行政の弊害を指摘する声がある。そこで、県と市の役割分担を、もう一度見直す必要はないだろうか。

 

二重行政の弊害はいくつか指摘されている。例えば、河川の管理である。川崎市内の川のほとんどは、一級河川に位置付けられている。管理は、一本の川にもかかわらず県と市で別々の管理を行っている。つまり、治水対策も県と市で違う計画と予算で行っているのが現実だ。

 

県と市の役割分他は結構、分かりづらい。道路の交通安全対策もその一例である。例えば、市議会には信号機の設置を求める陳情を議論することがある。私も何度となく議論に参加している。しかし、信号機の設置を決めるのは県の役割で、市に権限はない。つまり、川崎市で設置の有無を議論して結論を出しても、県に要望を伝えるのが関の山である。

 

 

二重行政といわれる部分については、例を挙げれば枚挙に遑がない。問われているのは、県と市の役割を見直して、効率的な組織と運営をどうつくりあげていくかということである。大阪に限らず他の自治体においても重複した業務は整理し、サービスの向上を図るべきである。