宮前区内の地域包括支援センターを再考

DSC06966.JPG 平成22年第3回川崎市議会定例会において、川崎市地域包括支援センターを、宮前区内に増設するべきであると提言していました。選挙でも、高齢者施設の充実を市民の皆さんにお約束していました。その後、宮前区内の地域包括支援センターは、2箇所の増設となり7箇所体制を実現することができました。そこで、センターの果たすべき役割と課題について検証します。

 

 地域包括支援センターとは、高齢者の方々が住みなれた地域で、安心して生活が送れるよう、あらゆる相談を受ける機関です。ケアマネージャー、社会福祉士、看護師の3職種により、高齢者の相談に応えています。施設の運営は、川崎市が事業者に運営委託し、サービスを提供しています。一箇所あたりの委託料は、2251万円です。

 

宮前区内の相談実績は、平成20年度で7509件、平成21年度で11771件、平成22年度で12463件と、増加傾向にあります。特に注目すべきところは、「虐待」に関する相談が増えていることです。平成20年度の23件に対して平成22年度には139件と、2年で6倍に急増しています。また、医療関係の相談も増加しています。平成20年度の326件に対して平成22年度には880件と、こちらは2倍以上に増加しています。

 

新設の施設を視察し何人かの担当者に話を伺うことができました。共通した課題は、施設の認知度がまだ低いことです。また、対応できる職員が少なく、人手不足だということも分かりました。訪問相談に出向くため、センターを留守にすることもあるそうで、スタッフの増員が必要だと感じました。

 

データからも分かるように、高齢化の進展に伴って、センターのニーズは益々高くなっています。現在、高齢者人口6000人を超えない範囲に一箇所整備されていますが、地域内にブランチを増設するなど、新たなニーズへの対応も求められます。病院の帰りなどにお茶でも気軽に飲める、そんな場所となることが理想ではないでしょうか。