風車

IMG_0988.JPG 福岡市と九州大学が連携し試験導入ている、風車を視察してきました。3基設置されているのは、福島市にある「シーサイドももち海浜公園」です。日本はヨーロッパに比べて風が弱く、風力発電は向かないといわれています。ここでは、弱い風でも発電力を高めようと官学連携によって、研究が進められています。総事業費2900万円のこの事業、その効果を探ります。

 

開発が進められているのは、「つば付きディフューザ風車」、通称「風レンズ風車」です。その特徴は、羽の周りに取り付けられた風レンズ(集風体)が、風の流れを遮り風車翼に流入する風を増速する仕組です。その効果は、微風でも高効率の発電を可能とし、風車にあたる風が1.4倍に増速され発電量は3倍にもなります。

 

メリットは、騒音が少ない点です。真下に立っていても、音はほとんどありません。通常の風車だと、風をきる音が大きすぎるため場所が限定されてきました。しかし、この風車なら優れた静粛性のため、人の住む地域でも設置が可能となります。また、バードストライクがありません。鳥は和を見分けることができることから、鳥の接触がない点も設置可能な場所を拡げる利点となります。

 

電気量の比較では、例えば4人家族の1日平均の使用電気量は、18.5kwhです。これに対して、この風車の発電量が1基あたり年間(年間平均風速4.0m/sの場合)3000kwhです。つまり、一般家庭の1日平均の162日分の電気を生みだすことが可能です。CO2削減量は、約1161kg-CO21世帯の半分に相当)の効果があります。

 

IMG_0984.JPG この公園内で発電された電気を、携帯電話充電器を設置して提供しています。この設備は、国内製機種に100%対応し、最大3人まで同時充電が可能となっています。現在はこのように実証調査のため、電力利用も限られた活用となっています。

 

 風力発電は、日本の風土に合わせた形で技術開発が進んでいます。その進展に注目せずにはいられません。今後、他の自治体でも自然エネルギーを、積極的に導入していかなくてはなりません。「風レンズ風車」の効果をみてきましたが、川崎市もこの技術、注目していくべきです。