節電の夏

夏場の電力不足をどう乗り切るか、その策が示された。71日から922日までの間、東京電力管内に「電力使用制限令」が発動される。大口需要家が対象となり、削減率原則15%に違反すると罰金を科す強制力を持たせている。強制という文言がでること自体、今夏の電力不足の深刻さを、物語っているといっていい。これから我々は、不足する電力とどのように向き合えばいいのであろうか。

 

川崎市は、「川崎市電力不足対策基本方針」を示した。基本的な考え方として「ピーク時の使用最大電力について、市民、事業者、行政の各主体が節電対策に取組むことにより、国の対応方針に位置づけられた15%の達成を目指す」としている。具体的な取組みとして、室温設定を28度、照明を半分に間引きし減灯、エレベーターの稼働時間の短縮などが挙げられている。

 

企業の一部は、自主的にサマータイムを導入している。東京都では、都庁版サマータイム制度を導入し、出勤時間を30分から1時間早めることなどにより、25%の削減を目指している。海老名市役所では、夏の間、水曜日の午後を閉庁して、電力の需要が比較的低い土曜日の午前を開庁する予定だ。企業・自治体も、様々な工夫をしなが節電対策を強化している。

 

 快適な電化製品に囲まれた生活で、我々にとって電気のない生活は考えにくい。これから定限のある電力をいかに効率的に使用し、持続性を持たせるかが問われている。言い換えれば、電力不足は我々の生活を見直すチャンスなのかもしれない。そう捉えれば、なんだか乗り越えられそうな気さえする。今は、大規模停電の危機を避けることを優先し、官民一体の取組みが求められている。