ぜん息患者数は西高東低だった

 気になるデータがある。川崎市成人ぜん息患者医療費助成事業実施状況の区別患者数(平成2211月現在)をみると、宮前区が930人と最も多く、続いて川崎区の895人、麻生区の604人の順となっている。同様に川崎市小児ぜん息患者医療費支給制度実施状況の区別患者数(平成2211月現在)をみると、宮前区が1932人、続いて多摩区が1866人、高津区が1497人となっていた。いずれも宮前区がトップで、北部地域に多い傾向となっている。

 

環境省は、「そらプロジェクト」と題して、平成17年度から平成22年度にかけて、幹線道路住民を対象とした大規模な疫学調査を行った。この調査には、川崎市も協力をしているという。平成22年度末に結果を公表する予定だ。これにより、大気汚染の状況と呼吸器疾患などの関連を明らかにする。

 

 区別のぜん息患者数については、臨海部の工場が多い南部地域に偏っているものと、勝手に思い込んでいた節がある。ぜん息患者数が最も多いのが宮前区なのは、意外な事実だった。原因物質は、大気汚染によるものや、室内にある化学物質によるものなど、様々あると考えられている。川崎市は、これから示される環境省の調査結果をもとに、対策を急ぐべきである。