認知症高齢者施策の充実を!

健康福祉委員会が開催され、「認知症高齢者の生活支援」についての報告があった。高齢化の進展に伴い、認知症を患う高齢者が増えている。認知症高齢者の日常生活自立度に基づく推計値によると、川崎市内の認知症患者数は、2010年で約16700人、2015年になると21500人に増加すると推測している。これから、公助の果たす役割が求められている。

 認知症の症状は、脳の細胞が死に働きが悪くなるために、記憶障害や見当識障害などの症状に現れる。うつ状態や幻覚、妄想、徘徊などの行動をとることもあり、家族のみならず連携した対応が必要となる。その原因ともなる疾患は、100種類以上もあるといわれており、治癒するものと治癒しないものがあり、対応を難しくする要因となっている。

 川崎市では、認知症の徘徊対策として「徘徊高齢者SOSネットワーク」事業を行っている。この事業は、徘徊する恐れのある高齢者を事前に登録し、各区役所や包括支援センター、警察などの関係機関をネットワーク化し早期発見を目指している。また、今年度、「認知症コールセンター」を設置し、認知症高齢者や家族を対象に電話での相談を受け付けている。相談件数はこの半年間で320件を超えている。

 相談体制としては、各区の社会福祉協議会が運営している「あんしんセンター」で対応している。ここでは、高齢の方や障害のある方の権利擁護に関する相談などを受け付けている。しかし、相談機関があることを知っている市民は多くはない。以上の点からも施策の普及啓発と併せ、今年度実施している「高齢者実態調査」の結果を踏まえたうえで、認知症高齢者のいる家族への、充実した生活支援が必要である。

http://www.city.kawasaki.jp/35/35kosui/35kosui/ninti-callcenter/callcenter-top.html