秋の武相荘

DSC05513.JPG 宮前区の自宅から車で20分のところに、旧白洲邸武相荘がある。ここは、私が尊敬する白洲次郎・正子氏の自宅であったところだ。今では、有料で一般公開し、多くの人が訪れている。私は、仕事のあい間に時折、一人で訪れるお気に入りの場所である。ここに来ると何故だか、時計の針が止まったような感覚となる。時間に追われる日が続くような人には、うってつけの場所といえる。

 

DSC05502.JPG門をくぐると、昭和初期の時代へとタイムスリップしたかのような雰囲気に囲まれる。茅葺き屋根の建物内に入ると、すぐにおしゃれなリビングが現れる。外観のイメージと和洋折衷の調度品とのギャップにまず驚かされる。奥座敷には、白洲正子氏の趣味であった骨董品が、惜しげも無く並べられている。なんとあの、魯山人の作品も置かれている。白洲氏のセンスの良さが、すぐに見て取れる。

 

DSC05512.JPG白洲次郎氏は、戦中、戦後と、日本の動乱期の中心にいた人物である。その時代にこの武相荘で、日本の将来をどう想像していたのだろうか。プリンシプル(原則)を重んじていた白州氏が、今の外交の混乱をみたら、決して黙ってはいないだろう。

そんな想いを巡らせながら、枯葉舞う庭を歩くもよし。お茶処で食事を楽しむもよし。心をリセットしたい人を、心地よく迎えてくれる、それが武相荘なのだ。落ち葉に囲まれた秋の白洲邸、日本のなつかしい風景をみに、是非、行かれてはいかがだろうか。 http://www.buaiso.com/