市民との約束

H22.09.29 マニフェスト講習会(北川先生を迎えて) 001.jpg先日、川崎市役所に北川正恭先生(早稲田大学大学院公共経営研究科教授)をお招きして、マニフェストについて意見交換をしました。北川先生はご存知の通り、テレビの情報番組でコメンテーターとしても、ご活躍されています。久しぶりに大学院の講義を受けているようで、向学心が再びわいてくるような気分になりました。私は、北川先生にローカルマニフェストのことについて質問してみました。 

国政レベルでは、パーティーマニフェストが、選挙であたりまえのように示されています。マニフェストは、期限、財源、数値、行程表を示し、誰もが事後検証可能なものでなくてはなりません。しかし、市議会側が、マニフェストを示すことが可能なのかどうか疑問を感じていました。北川先生の著書「マニフェスト進化論」を読むと、なかにローカルマニフェスト(議会マニフェスト)の2例が紹介されていました。内容はいずれも議会に関連していて、極めて抽象的な内容に留まっています。

以上の観点から、北川先生に次のような質問をぶつけてみました。「会派マニフェストにはどの領域まで、市民に約束することが可能なのか」。「待機児童問題を例に、何年までに改善し、予算はいくらかけて、定員枠を何人分確保します。」ということが、はたして議会側がいえるのかどうかという質問です。

北川先生の答えは、「確かに予算の提出権と執行権がない議会側がいうのは、理論上若干の問題はある。そこで、議会側の権能にある条例制定権を活用し、それらの内容を含めた条例を、つくる約束したらどうだろうか。」というのです。なるほど、それも一理です。

 他の議会(会派)で、マニフェストをつくるところが増えてきました。議会も、TAX EATER(税金を食べる人、山分けする人)にではなく、TAX  PAYER(納税者)に対する約束が語られなくてはなりません。検証可能なマニフェストを示し、有権者がそれらを比較して会派や政治家を選ぶその行為こそが、緊張感のある民主主義の本来あるべき姿なのです。