子供を守る

児童虐待が増えている。川崎市の児童虐待通告件数は、1998年の131件に対し2008年では724件と、実に5.5倍まで増加している。今朝の朝刊には「乳児院 虐待増え満杯」と問題を提起していた。それでは、その影響による川崎市内の乳児院の実情は、一体どうなっているのだろうか。現状を、数字から読み解いていてみる。

川崎市内の乳児院は、「しゃんぐりらベビーホーム」(幸区)の1か所が、民設民営で運営されている。虐待が理由で入所する乳幼児の数は、1998年の2名に対して2008年には13名にも増加している。現在は、入所定員を超えてしまい、他の都府県に7名の乳幼児が越境措置となっている。定員は、職員1人にあたり子供1.7人までと国の基準がある。職員数により、自由に受け入れることは難しい。

一方、こうした課題の解決の一助となっているのが、「里親制度」である。市内の里親登録数は、90名となっている。既に里親と一緒に暮らしている委託児童数は、78名に及ぶ。子供たちの成長期ということを考えれば、家庭のなかで生活を送ることが望ましい。まだまだ、里親の登録数が足りないと担当者はいう。

 2011年には新たに、定員20名の(仮称)北部地域乳児院が多摩区に開設される予定だ。これにより、越境入所の問題は改善に向かうことになる。児童虐待の増加によりこのような問題が起こっていることは、子を持つ親の1人としても残念でならない。まずは、こうした実情を広く、知ってもらう事が必要なのではないか。児童虐待の問題については、後日改めて記したい。