川崎市民の健康や食の安全は、ここで守られていました。昭和27年に設置された「川崎市衛生研究所」(川崎区)です。視察したこの施設では、公衆衛生の向上ため、情報の収集・解析・提供を行っています。扱う検査は、食中毒菌、HIV、水質、食品など多岐にわたります。室内は、ビーカーや見たこともない機械が所狭しと置かれ、小学校のころみた理科の実験室を想いだします。
半世紀以上にわたり、職員の方々の隠れた努力によって、市民の健康の保護のため研究が行われてきました。試験検査事業のなかでも変わったところでは、最近話題になった東扇島公園人口海浜(かわさきの浜)の、潮干狩りで採れる貝の検査も行っています。検査の結果、安全性が確認され、多くの市民が潮干狩りを楽しみました。
また、身近な家庭用品の検査も行っていました。例えば、24か月以下の乳幼児向けの衣類(ベビー服等)は、ホルムアルデヒドの使用が禁止されています。ホルムアルデヒトは、防しわや風あいの改善効果がありますが、健康被害の原因物質とされています。ここでは、そうした薬品が含まれていないか検査し、物質が検出されれば行政処分します。基準違反の商品をチェックする役割があります。