市民の隠れた守護神

IMG_0375.JPG川崎市民の健康や食の安全は、ここで守られていました。昭和27年に設置された「川崎市衛生研究所」(川崎区)です。視察したこの施設では、公衆衛生の向上ため、情報の収集・解析・提供を行っています。扱う検査は、食中毒菌、HIV、水質、食品など多岐にわたります。室内は、ビーカーや見たこともない機械が所狭しと置かれ、小学校のころみた理科の実験室を想いだします。

 

半世紀以上にわたり、職員の方々の隠れた努力によって、市民の健康の保護のため研究が行われてきました。試験検査事業のなかでも変わったところでは、最近話題になった東扇島公園人口海浜(かわさきの浜)の、潮干狩りで採れる貝の検査も行っています。検査の結果、安全性が確認され、多くの市民が潮干狩りを楽しみました。

 

また、身近な家庭用品の検査も行っていました。例えば、24か月以下の乳幼児向けの衣類(ベビー服等)は、ホルムアルデヒドの使用が禁止されています。ホルムアルデヒトは、防しわや風あいの改善効果がありますが、健康被害の原因物質とされています。ここでは、そうした薬品が含まれていないか検査し、物質が検出されれば行政処分します。基準違反の商品をチェックする役割があります。

 

 研究所では、市民の健康を守るために、地道な研究を行っていました。このところ、口蹄疫問題や新型インフルエンザと、予期せぬ感染症が起こっています。神奈川口構想の計画があるように、新薬の開発を目的としている実験動物中央研究所などの機関と連携も視野に入れ、拠点を移してみてはどうでしょうか。相乗効果とあわせ、海外から流入する感染症の抑止に効果を発揮します。今後の川崎市衛生研究所の取組みに期待します。