実すれば之に備えよ

兵法の格言には、選挙戦略の攻略法が宝の山のように並び、不敗への戦略として勝利に導いています。孫子の兵法の1つに「実すれば之に備えよ」とあります。意味は「相手の戦力が充実していれば、我は態勢を整えることに専念せよ」ということです。つまり、「備え」の重要性を説いているのです。

民主党は、与党という立場を利用して、あらゆる組織を手繰り寄せ、優位な状況で選挙戦を進めてきました。一方の自民党は、野党に転じた我慢の10カ月間で再生の端緒を求めてきました。兵法でいう備えの時だったのです。備えが十分だったから議席を増やせたかどうかはわかりません。しかし、弱者が強者に勝つ「勝利の方程式」が、兵法にあったのだとしたら、兵法に興味を覚えます。

 そういえば、サッカー日本代表の本田圭佑選手も似たようなことをいっていました。試合終了後のインタビューでは必ず「次の試合に向けた準備をしっかりしたい」と語っていました。準備の重要性を強調していたのです。勝負(本番)で成功するには、備え。つまり準備が何事も大切だということに、改めて気付く決戦の夏でした。