選挙の不思議

夏のあつい参議院選挙が行われている。街では、候補者の顔が貼られた広報版がみられるようになった。時折、街宣車にもでくわすことがある。参議院選挙では、全国が選挙区の比例候補者と、県が選挙区の候補者がいる。選挙カーは、多くの人に名前を聞いてもらおうと、足早に過ぎ去っていく。

さて、そんな選挙戦だが、先日、朝日新聞の1つの記事に目が止まった。「名前連呼、まさに逆効果」とあった。記事の内容を読んでみると、とあるアンケート結果では、名前の連呼を聞いて、投票したくなったと答えた者が25.6%に対して、投票とは無関係と答えた人が72.8%となったというのである。候補者と有権者の思いに乖離があることが分かった。

他にも、選挙運動の効果について質問した結果では、「心が動いた選挙活動は何か」との問いに対して、1位が、駅前で毎日演説が67%、演説会が30.3%。候補者が近所や職場に来た19.1%であった。この結果からみると、やっぱり有権者との直接の接点が、投票行動に大きな影響を与えていることが分かる。

一方で、「これって選挙に必要な運動」の問いに対しては、握手の効果が低いことが分かった。アンケート結果によると、握手をしたことによって投票したくなった人は、全体のたった5.4%しかなく、投票とは無関係とした者が83.5%。逆に投票したくなくなったが11.1%と意外な結果である。

 私は、候補者として何度も選挙活動を行ってきた。仲間の応援もさせて頂いた。しかし、選挙活動で何が効果的で何が逆効果なのか、いまだにわからないことの方が多い。アンケート結果にあったように、握手や連呼によって投票行動が、大きく左右されるとは思わない。もう、そういう時代ではない。大事なのは、普段の地道な活動内容である。