やっぱり個室がいい

川崎市議会定例議会の各会派の代表質問が終わった。市政課題の議論で気になったことがあった。特別養護老人ホームの新たな施設整備に対して、ユニット型(個室)か相部屋(4人部屋)かで、国と自治体の見解が分かれているという。国は、ユニット型(個室)を勧めたいと考えている。一方、従来型(相部屋が並ぶ)を勧めたい県や市は折衷案を取り、ユニット型と相部屋を兼ね備えた「一部ユニット型」を勧める方針だと答弁した。

待機者のアンケート結果は、相部屋を希望する人は48%と多く、個室を希望する者が23%と少ない。その理由は簡単である。ユニット型(個室)だと費用が高くなるからだという。事実、要介護5のケースだが、従来型の相部屋は平均9万円だが、ユニット型だと16万円もかかる。アンケートの結果は、ある意味うなずける。

 厚生労働省は、個室面積基準を引き下げる方針を示している。居住費をなるべく下げたいと考えているからのようだ。当然、多くの人が考えているように、できるならプライベートが確保された個室の方が望ましい。ただ、費用が16万円ともなると話は別だ。利用できる人が限られてくることが問題である。

 国と自治体が意見の対立をしている場合ではない。日本には、42万人の待機者がいる事実をどう認識しているのだろうか。特養の整備促進と同時に、入居者の経済的な負担軽減策を、国や自治体は一緒になって考えていくべきである。