今朝の札幌は4月も終わろうとしているのに雪まじりの雨である。札幌市の郊外にあるモエレ沼公園に行った。この公園は、20世紀を代表する世界的に有名な彫刻家イサム・ノグチ氏の設計によるものである。この地が「ごみの埋立地」であったことは想像にも及びない。美しい場所だけに雨と風が恨めしい。
ルーヴル美術館のエントランスを想わせるガラスのピラミッドのなかに入ると、明るい解放感に包まれる。
イサム・ノグチ氏はこう語っていた。
「公園が本式になるのは30年かかると初めてわかった。
人間はある程度までしか出来ないことがわかった。
完成するのは人間ではない。自然が自分でやるのです」
『MOERE ACCESS MOERENUMA PARK』
今では年間80万人の来場者で賑わう公園となった。多くの子どもたちが自然と芸術のなかで走りまわり、家族と一緒に幸せな時を過ごす。現在は、イサム・ノグチ氏の意思を引き継いだ関係者の手で公園が守られている。芸術がちりばめられたこの公園。ゴミの埋立地から環境芸術として再生した功績は大きい。LANDSCAPE(景観。人口環境と自然環境の調和を目指して構成された外部空間の総合的景観)は見逃すことはできない。連休には北海道の地で、桜がみごろを迎える。