臨海部の都市戦略

再拡張と国際化が同時に進む羽田空港との近接性を活かさない手はありません。臨時議会において、川崎区殿町地区にある都市再生機構の土地1.3ヘクタールを、川崎市が23億円で購入する議案が賛成多数で可決されました。当該地区は、神奈川口構想にあたるエリアで、羽田空港からの連絡道路が想定されています。

購入する土地には、(財)実験動物中央研究所(宮前区所在)が移転し、慶応義塾大学との連携で「再生医療・新薬開発共同センター」のほか、大学や企業が入所する「産学公民連携研究センター」などが整備される予定となっています。

対岸の羽田空港は、201010月に第4滑走路が完成します。世界につながる翼が増えることにより、アジア・欧米各地から多くの研究者や観光客が訪れます。その地の利を生かし、川崎臨海部に研究開発機関の立地を促進し、世界の情報や頭脳の集積を誘導します。相乗効果も期待できます。コンベンション施設やホテルが進出し、新たな産業の創出へとなります。

 将来への投資は、ライフサイエンス分野の立地による新たな産業の進出に留まらず、最先端医療のイノベーションにより、市民の健康を守る高度医療の実現を意味します。川崎市が場所を提供して研究開発を行う産学を後押しすることは、求心力となります。川崎のポテンシャルとして、世界に情報発信し貢献する日もそう遠くはないと夢は広がります。そこに都市政策の醍醐味といいますか、魅力みたいなものが隠されているのです。