政界再編

 このところの政界が揺れている。小政党が乱立することにより政界再編の動きが活発化しているからである。加えて、昨今の政治不信から招いた有権者の投票行動理論における、政党帰属意識(Party Indentification)の低下がそれに拍車をかけている。

 我が師である与謝野馨先生が自民党を離党した。研究機関において財政論を教えて頂き、師恩を感じてきた方だけに、今後の行動が気になるところである。民主党のチームワークのなさも心配だが、自民党の結束力も情けない。2大政党制を目指してきた我が国の政治が、政党の細分化により迷走を続けることになるとみられる。

政党とは、国民と政治とを結びつける架け橋の役割を果たしている。共同通信社が3日(土)と4日(日)に行った政党支持率は、民主党が30.3%(+1.3%)自民党が18%(-6.6%)みんなの党が9.6%(+5.7%)となった。みんなの党の存在が、止まらない政党不信の受け皿になりつつある。みんなの党の躍進があるのは、既成政党に「裏切られた感」から招いた結果であるという人もいる。

如実に表れたのが328日投開票で行われた、逗子市議会議員選挙の結果であった。みんなの党の2候補がダントツの上位当選を果たし、地方選挙においても影響が出始めている。みんなの党はこの勢いを活かして、これからの地方選挙に多くの候補者をたててくることが推測できる。

 私は、政治には何事もバランスが必要だと考えている。これまでの衆議院選挙の結果にみられたように、民主党が勝ちすぎた時もあれば、自民党が勝ち過ぎた時もあった。「ふりこの原理」が行き過ぎた政策を元に戻し、政策のバランスを保つ安定剤の役割を持つことに期待したい。7月には国政選挙が再び行われる。行き過ぎた政策を止められるのも、政治家を変えられるのも我々の1票にかかっている。これから出される各政党の政策に注目したい。