地球の歴史は46億年、人類が地震のメカニズムを知るようになってからまだ半世紀しかたっていない。「我々は地震の巣の真上に住んでいることを忘れてはならない。地震と地震の間の平和な時間に街が進んで高度に発達していく。そして、いよいよ、次の巨大地震が起きようとしていることを我々は意識していく必要がある」といったのは、東京大学地震研究所の古村孝志教授である。
阪神淡路大震災から15年が経った。この日が来るたびに大地震に対する備えを改めて考え、危機管理のあり方を問い直す。当時の神戸市長であった宮崎辰雄氏は震災後、神戸の街をこう表した。「130年かかってつくった街が、22秒で壊れてしまった」切なくも儚い現実を表現している。
地震発生から5日目を迎えてしまった中米ハイチ。死者は20万人ともいわれている。倒壊した建物の映像をみるたびに心が痛む。日本の救急救助者の目標には、「危機発生後72時間以内の救出」とある。家が崩れ下敷きになり72時間が経過をすると、ストレスから急激に人体が衰弱する。外傷がなくても脱水症状から急性心不全となることが多いことがわかっている。つまり、発生から3日間の救出が絶対条件となる。
以前、大学院で危機管理とは何かを学んだことがある。それは4つあり、1つは事前準備、2つは減災、3つは応答性、4つは復旧である。自助・公助・共助のいずれにおいても「事前準備」に力点を置きたいところである。