神奈川の偉人 ~二宮尊徳の功績~

我が母校の客員教授であり、私が授業で教えを受けていたこともある、松沢成文神奈川県知事の話を久しぶりに聞くことができた。話は、二宮尊徳についてのお話しであった。神奈川県は、二宮尊徳という立派な人物を排出している。今やその教えは世界各地で研究され、学術大会が開催されているほどである。神奈川から彼の報徳精神をもっと発信して、偉業を称えていくべきであるとの趣旨であった。

私の二宮尊徳の知識は「勉強しながら薪を担いで本を読んでいる銅像」のイメージでしかない。そこからは勤勉と努力の人という印象である。私が小さい頃は、いくつかの小学校で銅像をみたことを記憶しているが、今は、ほとんどみない。

二宮尊徳の報徳仕法には、6つの基本原理がある。その一つに、積小為大(せきしょういだい)がある。意味は、小さい努力の積み重ねが大きな成果をもたらすといったところである。朝から晩まで農作業をして、捨苗から籾を収穫し財を成し、薪を担ぎながら本を読み大成した歩みを体現する言葉と受けとめる。

報徳思想を手本に、かの有名な松下幸之助氏や渋沢栄一氏等が影響を受けたことはあまり知られていない。今では、小さい子供たちにもその偉業を知ってもらおうと二宮尊徳の紙芝居をつくり、県内の保育園や幼稚園で活用されている。

今の、厳しい社会情勢を経験したときに、マイナスと受けとめるのも私達であり、逆に、チャンスと受けとめるのも私達である。後者の物事の見方のように、物事を積極的に考えることの必要性を説いているのだと感じる。報徳仕法が日本のみならず、世界で愛され続ける理由がなんとなくわかる気がする。

 

参考文献 

松沢成文著 『破天荒力』 講談社 20076