儒教の教え

 

 このところの政治の転換、経済の低迷が我々の生活に影響を及ぼしています。私が寝る前に手にする本には、四書五経の教えを諭すものがあります。中国の哲学書の一巻には「中庸」があります。中庸とは、大辞林の説明にこう記されています。「考え方や行動等が一つの立場に偏らず中正であること、過不足がなく極端に走らないこと」と説明しています。

この教えこそが、今の政治において手本にすべき考え方ではないでしょうか。私の心配はマニフェストに掲げられる項目が、課題解決のための政治手法にとどまらず、財源もそっちのけ、なんとかなるさ!と言わんばかりの聞こえのいい政策ばかりを羅列したものがあることです。

市民サービスの向上を進めるには、相当の税財源の負担が伴います。我々はそのことを決して忘れてはいけません。政策を提案するには予算における歳入と歳出を鑑みた、バランスのとれた政策でなくてはなりません。

川崎市長選挙が11日(日)に告示となります。私は耳触りのいい政策ばかりに気をとらわれず、あえて厳しい現状も正々堂々とディスクロージャーし、改善策を示している候補者に期待します。マニフェストは、各候補のものを精査し見比べたうえで、投票の判断材料として有効に活用すべきと考えます。